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 No.628

三輪 薫(みわ かおる)


No.628 『生きる』/人との出会いと人生の巡り合わせ 2014/1/1

人生の巡り合わせとは不思議なもので、全て人との出会いが生み出しているような気がする。第二次大戦後の昭和23年生まれの僕らは団塊の世代と言われ、今の時代から思うと子供の頃は貧しかったものの、そのようなものだと思って暮らしていたような気がする。

弟子入りのため上京した1970年代、その後フリーになった1980年代の初めの頃には世の中が少しずつ景気もよくなってきた。貯蓄はなくてローンを多く抱えながらも何とか家族を養い、好きな写真も撮って暮らしていた。営業は苦手だったが、何かと世話を焼き、仕事の紹介をしてくれた回りの人達のお陰で何とか生活でき、作品創りにも没頭し、30回を越える個展を開催することができた。そういう点では実に幸せな人生と言える。

30数年前にフリーになってからは、何となくだが数年先や10年、20年先のことを思い描きながら生きてきた。何か目標を抱かなければ、だらだらと過ぎて行くような気がしたからだろう。時代がよかったのか、大半思い描いたような人生を送ることができたような気がする。尤も、実現不可能と思えるようなことを高望みしたわけではなく、ちょっと背伸びしたくらいのことだったので実現しても不思議ではないのは確かだろう。これらのことも自分の力で出来たわけではなく、親切ないい人達との出会いによって実現できたのだと思っている。

フリーになって間もなく、当時銀座のデパートにあった通信教育の学校や吉祥寺のデパートのカルチャースクールの講師を務め始めた。その時に出会った受講生の方々の中には30年近く経った今もお付き合いが続いている人が結構いる。この頃、コンタックスクラブやコダックフォトクラブなどの講師も務めるようになり、セミナーや撮影会で全国を回ることも多く、愛好家の方々との出会いも格段に増えていった。その後は東急カルチャースクール(現、東急セミナーBE青葉台)やキヤノンのEOS学園の講座も担当するようになり、もう20年近くになる。この講座の受講生の方々が3つのクラブを立ち上げ、「わの会」もこれらの方々の要望と尽力によって発足し、会員のみなさんと共に楽しく過ごしている。だから、人との出会いが楽しい人生を招いてくれたと言っても過言ではない。キヤノンフォトクラブでは主に地方の5つのクラブの方々の作品添削も担当していて、撮影に出かけた時などで現地合流したり、個展の巡回展に来てくれたりと、嬉しい出逢いが多くあるのも幸せなことだ。これらのことは結婚後に勤めた写真専門学校に7年半いたことが元になっていて、人生何が幸いするか分からない。今年もどのような出会いが待っているのだろうか。楽しみだ。

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