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 No.646

三輪 薫(みわ かおる)


No.646 『創る』/伊勢和紙ギャラリーでの写真展 2016/2/22

昨年7月下旬に日本橋の小津ギャラリーで開催した伊勢和紙を使った僕の個展「仏蘭西・巴里」と主宰するフォトワークショップ「風」のみなさん15名の写真展が14日から三重県伊勢市にある伊勢和紙ギャラリーで始まった。僕の作品は860ミリ幅のロール紙を使った吊り仕様を4点、額装を7点追加し、合計40点展示している。別館の伊勢和紙館には四八判(1,100mm×2,400mm)の手漉き和紙2枚に 8×10inch 判のカメラで撮ったものをプリントしているが、1枚は3カットを入れ、もう1枚にはフル画面だと4畳くらいの大きさになる画像の部分トリミングで展示している。フィルムの底力を感じていただけると思う。今回の僕の作品は全てフィルム撮影で、モノクロプリントであるが多くがリバーサルフィルムから選んでいる。

外宮の近くにある伊勢和紙ギャラリーは大正ロマン漂う純日本建築の中にあり、二階のメーンギャラリーは天井高 3.6m の床がフローリングの洋間風で、高さ2.5mほどのパネルは天井に近い部分は格子になって障子越しのソフトな光も入って外光を生かせるような作りになっている。このパネルは両面が黒と白のアンサンブルになっていて、使い分けることが出来るが、日本橋の小津ギャラリーが白だったため今回は黒い面を選んだ。二階にはサブギャラリーもあり、大きな窓を通した明るい外光が作品をより美しく見せてくれる。このギャラリーでは廊下部分や階段や踊り場部分も展示スペースに活用していて、一般のギャラリーとは違った趣を感じていただけると思う。

今回はメーンギャラリーの北側中央はパネルを立てずに幅2mほど空けて障子越しの外光を入れ、その中央にロール紙のプリントを吊って、透過光でも見えるようにした。日本橋で展示した夜のエッフェル塔のカットだが、ソフトな光りを受けて少し透けて見えるプリント画像からは壁面に展示したよりも夜の光りや雲の動きを感じる。階段踊り場に展示の作品は新作だが、薄い和紙を2枚合わせで展示した。ルーブル美術館で天窓から入る光が逆光になった場面を撮っていて、プリントも逆光で見るように演出している。2枚合わせで吊ったプリントは数ミリくらい空いているために画像が少しにじんで見えるような視覚的効果を引き出している。また、額装作品には厚手の和紙の上に薄手の和紙を重ねたものや、厚手の和紙に落水と呼ばれる模様を重ね漉きした和紙にプリントした作品もあり、僕の4点とフォトワークショップ「風」の方の2点を展示している。

3月13日(日)までの開催で、最終日以外の日曜日は休館です。伊勢神宮の参拝の折にでも寄って見ていただければ嬉しいです。

伊勢和紙のサイト http://isewashi.co.jp/

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