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 No.649

三輪 薫(みわ かおる)


No.649 『創る』/三輪薫写真展「こころの和いろ」-2  2016/5/25

4月に銀座のキヤノンギャラリーで開催した個展からもう1ヶ月が経ってしまった。昨年の暮れ頃から本格的な準備を始めて会期前まで続いたが、終わってみればあっけなく過ぎたという感じである。しかし、銀座では実に久しぶりの個展開催だったが、連日実に多くの方々のご来場をいただき、カウント数も4300を超えた。前回2007年の「花逍遙-II」展の時には3800超えだったが凄い数だといわれたので、今回はその数字に500も超え、大変嬉しく思っている。開催するからには一人でも多くの方にご覧いただきたく、会期中は原則として全日会場にいることにしている。結構な時間を費やして準備し、かなりの経費を掛けて開催する贅沢な時間を楽しまない手はない。時々個展会場に作者がいないのを見るが、僕には考えられないことである。これまで30数回個展を開催してきたが、地方での巡回展を含めた個展開催を除き、都内など近間での開催には会場にいなかった日はない。会場にいること自体が実に楽しく、至福の時間と感じているからである。普段なかなか会えない人も来てくれ、新たな出会いもある。これも写真展のいいところである。しかし、メーカーギャラリーなどでは必ずしも希望会期で開催できるとは限らず、予定を変更できない仕事で数時間くらい抜けることはあった。

写真展の開催には多くの方々のお世話になっていて、カメラ誌や新聞社などへの告知掲載、専任講師をしているクラブのメンバーや写真教室の受講者のみなさん、それらの方々が知り合いを連れてきてくれたり、来場された方が友人知人を連れて再度来てくれたりと、嬉しい連鎖もあり、多くのご来場につながったと感謝している。

今回の作品は全てデジタルカメラで撮影し、伊勢和紙にプリントした。和紙は銘柄によってそれぞれ独自の風合いや色合いの違いがあり、厚みも違う。それらの違いを作品表現に繋げる楽しみもある。今回は薄い和紙を2枚重ねて展示した作品が4点あった。額装の2点はそのまま重ね、色合いに深みを出し、立体感も引き出した。会場中央に天井から吊り下げた860ミリ幅のロール紙は、裏面には反転した画像をプリントし、表裏の画像を合わせ、どちらからも見えるようにした。この吊り作品には会場の奥からスポットライトを当てて原則透過光で観ていただくようにした。時間や天候次第でそのライトの明るさと外光との差が視覚的に面白い効果を生むと考えての展示だった。晴れた日の日中はかなりの外光がギャラリー内に入ってくると予想していたが、4月中旬だったこともあり、少々物足りない光量だったが、意図した目的は適えられたと思っている。

26日から札幌で、来月16日からは大阪梅田で巡回展が始まる。銀座で展示した全てを飾ることは出来ないが、それぞれの地で観ていただいた方々の反応を知る楽しみもある。数日だが会場にいてご来場いただいた方々と過ごす至福の時を満喫したいと思っている。これらの会場では現在通信添削を担当しているキヤノンフォトクラブの方々とお会いできるのも楽しみである。

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