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 No.657

三輪 薫(みわ かおる)


No.657 『創る』/「こころの和いろ」伊勢和紙ギャラリー巡回展 2017/10/1

昨年、キヤノンギャラリー(銀座・札幌・梅田)で開催した伊勢和紙による個展「こころの和いろ」の巡回展を伊勢和紙ギャラリーで9月17日(日)から開催しています。キヤノンギャラリーの札幌と梅田では会場壁面がやや狭く、銀座展で展示した全てを見ていただくことが出来ませんでしたが、今回の伊勢和紙ギャラリーでは、銀座展で展示の全てと新作の860mm×2000mmのロール紙での作品を3点、半切の額装作品の7点を追加で展示しています。

伊勢和紙ギャラリーは和風建築ながらもメインギャラリーの天井高は3.6m以上もあり、展示パネルの奥には障子があって外光がパネルの上部からと一部空けているパネルの間から入ってくるようになっています。銀座のキヤノンギャラリーも入口から外光が入り、その光りを活用した展示もしていて、会場の中央に860mm×2000mmの薄手のロール紙での作品を2点吊り下げていました。伊勢和紙ギャラリーでは、窓際に3点展示していて、2点は北側、1点はサブギャラリーの南面に展示しています。北側の2点は薄手の和紙を2枚重ね、1点は何と3枚重ねて展示しています。ソフトながらも逆光の透けた光りに浮かび上がる視覚的な効果を活用しています。南面に展示の1点も2枚重ねで展示していて、晴れた日と朝夕や曇り日、雨の日などではライティングも違っていて同じ作品とは思えない変化のある表情を見せてくれます。和紙ならではの表現の一つです。860mm×2000mmのロール紙での作品は他に7点あり、四八判(1,100mm×2,400mm)の手漉き和紙作品も1点あります。28点が額装作品で、全て手漉き和紙を使っています。その中にも2点は薄手の和紙を2枚重ねて見せているのもあります。光りに透かさなくても薄い和紙では重ねた下のプリント画像が透けてきます。薄いトーンは透けて見えませんが、濃いめの部分のみ透け、立体感を増して見えるのです。僕の個展ではお馴染みの重ね漉き作品も4点あり、作品によって全て違う漉き方をしています。

今回の巡回展は2005年に開館記念展を開催して以来、何と10回目の写真展になります。今年には機械すきや手漉きの新作伊勢和紙も増えました。今回はこれらの新作和紙を結構活用して作品創りをしています。和紙は楮、三椏、雁皮、芭蕉など原料やその配合の割合によってプリント効果が違ってくる魅力があります。楮は優しく、雁皮は艶やかなきらめきなどを期待したいときに選んでいます。現在愛用している伊勢和紙は10数銘柄あり、オリジナルの落水紙を含めるとかなりの種類になり、あらゆる作品表現に対応してくれ不足を感じません。和紙プリントへの魅力は増すばかりで、新たな作品創りへの期待感が一杯です。

今回の巡回展は15日(日)まで開催中で、13日から15日には会場にて皆さまのお越しをお待ちしています。是非お出掛け下さい。(10月1日、8日は休館)

伊勢和紙  http://isewashi.co.jp/

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