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 No.671

三輪 薫(みわ かおる)


No.671 『創る』/「Rock-II」展  2019/2/19

今月10日(日)から伊勢和紙ギャラリーで昨年6月下旬に日本橋の小津ギャラリーで開催した「Rock-II」の巡回展を開催しています。伊勢和紙ギャラリーは小津ギャラリーよりも展示壁面が長く、860mm×2000mmのロール紙による作品(3点)と額装作品(11点)の14点を追加して展示しています。小津ギャラリーでは主宰しているフォトワークショップ「風」との合同展で、吊り作品4点含め合計15点(吊り作品2点には2カットプリントし、作品点数の合計は17点)展示していましたので、今回はほぼ倍くらいの点数になっています。小津ギャラリーでは全てアメリカのグランドサークル(モニュメントバレー、グランドキャニオン、ザイオンなど)で撮った作品でしたが、伊勢和紙ギャラリーではオーストラリア、カナダ、ニュージーランドで撮った作品を追加展示しています。伊勢和紙の銘柄も小津ギャラリー展ではなかった落水仕様での作品もあります。勿論、今回の巡回展でもフォトワークショップ「風」のみなさんの作品も展示しています。会場が変わると当然展示レイアウトも変わり、壁面やライティング条件も違うことが多く、見た目の印象も変わってきます。僕が巡回展を開催する場合、その会場に行くのは自分自身でその違いを確認したいからです。2004年に当時銀座5丁目にあったキヤノンサロンで開催した伊勢和紙による「風色-U」展では仙台・札幌・名古屋・大阪と多くの会場で巡回展を開催しましたが全て行きました。他の個展の巡回展も同様で、それらの会場での来場者との語らいは楽しいものです。

伊勢和紙ギャラリーは純日本建築の中にあり、玄関を入ると奥に続く廊下があり、その中央部分に受付のデスクがあります。その手前にイーゼルで1点、記帳するデスクの前に1点、廊下の突き当たりに860mm×2000mmのロール紙による作品1点を展示しています。メインギャラリーは二階にありますが、普通の民家の倍以上もある幅広い階段の踊り場にはイーゼルで2点、窓をバックに透過光で見せる吊り作品を1点、踊り場の上下の階段の壁面に吊り作品を3点展示しています。踊り場の窓は北側にあり、ソフトな外光越しに見る作品は薄手の和紙2枚を重ねて展示しています。その2枚共にプリントしていて、後ろのプリントの絵柄が手前の和紙に映り込むようにしています。晴れた日には外光の透過光も多いですが、曇り日や夕方には少なくスポットライトによる照明が強くなります。サブギャラリーは南面のガラス窓から光が多く入るとても明るい会場です。プリントのトーンが綺麗に見え、表現のごまかしがきかないこのサブギャラリーが好きです。フォトワークショップ「風」のみなさんの作品はこのサブギャラリーと隣のメインギャラリーに連続して展示しています。メインギャラリーは日本建築ながらも天井高も3.6m以上もあり、展示パネルが黒と白のアンサンブルになっています。小津ギャラリーの壁面がアイボリーホワイトなので今回は黒の壁面を選んでいます。パネル後ろの障子越しのソフトな光が差し込むすてきなギャラリーで、心地よい空間で作品を見ることができます。このような多様な環境で展示できるギャラリーは少ないと思います。このギャラリーでの個展開催は2005年の開館記念写真展から今回で11回目となり、来年の今頃には4月にキヤノンギャラリー銀座で開催予定の「こころの和いろ-U」展の巡回展を開催していると思います。

伊勢和紙による三輪薫写真展「Rock-U」とフォトワークショップ「風」写真展は来月10日(日)まで開催中です。ただし、2/24(日)、3/3(日)は休館です。

会期初めは12日まで滞廊していましたが、来月は8日(金)から最終日の10日(日)まで会場にいます。みなさん、是非伊勢和紙ギャラリーへ。お待ちしています。

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