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 No.673

三輪 薫(みわ かおる)


No.673 『創る』/「こころの和いろ-II」展 2019/4/17

今月25日(水)からキヤノンギャラリー銀座で個展を開催します。銀座では2016年の4月に日本の自然風景を伊勢和紙にプリントした「こころの和いろ」展を開催していて、今回の写真展はこの第二弾で、キヤノンでは2001年以降5回目の開催です。今回の展示も3種の額装(450mm×450mm、540mm×540mm、540mm×730mm)23点と2種の吊り作品(1600〜2000mm×860mm、1100mm×2400mm)7点を展示します。額装作品は全て手漉き和紙で、機械すきの和紙は860mm幅のロール紙6点で、四八判(1,100mm×2,400mm)は手漉き和紙です。和紙銘柄も多く使い分けていて、14銘柄あります。

和紙プリント展の魅力は、長年求め、探究してきた「カメラで日本画や墨絵を描く」作風を引き出せることと共に、和紙銘柄の違いによる微妙なトーン再現ができることにもあるのです。多種の和紙に同じ絵柄を同様にプリントしても、和紙の質感や風合いによって見たときの印象が変わります。伊勢和紙は表面加工をしていなく、表(滑面)も裏(粗面)もプリント出来ます。僕は手漉き和紙は表を、機械すきは裏を使うことが多いです。フィルム撮影時代にはリバーサルフィルムの銘柄を変えると、これが同じ被写体なのかと、時には驚くほどの違いが出てきました。現在はデジタル時代で、撮影時のピクチャースタイルや色温度設定などの違いだけではなく、プリント用紙による違いを活用しながら作品創りが出来る喜びもあり、表現の可能性が広がっています。

今回も会場の中央に薄い和紙(2000mm×860mm)を2枚重ね、その両面にプリントして主に透過光で見る展示をします。和紙は行灯などにも使われ、透過光で見せる展示には合っています。キヤノンギャラリー銀座の会場は通りに面していて、晴れた日の日中には向かいのビルに反射した光が間接光ながらも広めの入口から流れ込んできます。外が明るい時には会場の奥から見ていただき、曇天や雨、夕方の薄暗くなってからは会場のスポットライト越しに入口付近から見ていただこうと考えています。

今回は前ボケやブレを積極的に活用した作品も多く、主に優しく美しいトーン再現による作品を展示します。色鮮やかな被写体や、ハイコントラストなライティングが余り好きではなく、心が和み心に余韻が残る表情に惹かれた作品を展示します。

展示作品は、4/20 発売のカメラ誌5月号に掲載されます。月間「フォトコン」の表紙と5点(166〜169ページ)、学研CAPAに5点(92〜97ページ)、隔月刊「風景写真」の写真展Pick Up に3点(157ページ)。

個展の会期は、GWを挟んで11日間での開催となります。 4月25日(水)〜27日(土)、5月7(火)〜15日(水) *休館日(4/28〜5/6、5/12)

会期中は会場におります。5/11(土) 14:00〜15:00 は会場にてギャラリートークを開催。

皆さまのご来場をお待ちしています。

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