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 No.676

三輪 薫(みわ かおる)


No.676 『創る』/写真展開催の楽しみ 2019/7/10

写真展を開催する楽しみには色々ありますが、普段あまり会わない、会えない人達も来てくれることにもあります。僕らの団塊の世代でも人の出会いが年々少なくなりますが、会うきっかけがあると再会も増えます。個展だけではなくグループ展でも同じで、友人知人同士が集まる出会いの場になることが多いのです。今回の個展開催でも普段疎遠に感じている人達や結構遠いところに住まわれている人達も多く来ていただきました。大阪での巡回展には、月例作品などの添削アドバイスを担当しているキヤノンフォトクラブ備後(広島県)、兵庫ネイチャー、奈良、岐阜の方々もご来場で、嬉しく思っています。

写真展が終わった時の搬出は何となく寂しさがつきまといますが、搬入時にはこれから始まるわくわく感もあり、お手伝いに来ていただいた方々と前祝いするのも楽しいことです。銀座展の展示作業は額装をお願いしたフレームマンから3人来てくれ、複雑な展示ながらも実にてきぱきと行っていただいて感動ものでした。だからといって作者と業者のみでの搬入はさみしく、賑々しく行うのが好きです。今回の搬入は伊勢和紙の中北喜得さん含め、「わの会」世話人の方々5人にもお手伝いいただきました。終えた後の小宴でのビールの味は格別です。また、今回も「わの会」世話人の女性お二人に11日間の期間中受付をお手伝いいただき、安心してご来場の皆さんとお話しできました。和紙プリントでの自家処理による作品創りを行っているお二人ならではのフォローには安心感があり、昼食で会場を留守にするときなど助かっています。

近年僕の個展ではまず展示構成(作品サイズ、展示仕様、展示順)を決め、その後そのレイアウトに沿って最終作品セレクトを行うことが大半です。今回の銀座展では、道路に面した壁面の左にロール紙の吊り(2,000mm×860mm)を1点。ギャラリー内のA面は全て額装(540mm×540mmを8点、540mm×730mmを2点)。B面はロール紙の吊り(1,600-2,000mm×860mm)3点とその間に額装(540mm×540mm)2点。C面は中央に四八判(1100mm×2400mm)1点、両端に縦位置の全紙額(730mm×540mm)を展示し、四八判との間に額装(540mm×540mm)を各3点。D面は額装を3点展示し、左右に(540mm×540mm)2点、中央にやや小さな(450mm×450mm)1点を入れるとまず決めました。通常は作品セレクトが先で、その後レイアウトを考えることが多いと思いますが、ビジュアルに見せる演出ではレイアウトを先に決めるほうがいいと思っているからです。

今回の作品は3年前の個展での作品セレクト後に撮影したものでと考え、全てのカットを確認し、セレクトを繰り返し、約300点に絞り込み、やや大きめのコンタクトシートを作って展示作品を決めました。デジタル画像の確認はフィルムと違って膨大な時間が掛かり、延べ1週間ほどの作業でした。A面は水もので前ボケとブレを多用した作品、B面は中央に古木を配して左右に水没林の作品を並べ、C面は木々の作品、D面はアップの作品を選びました。模様の違う落水仕様の和紙を4点、今回初めて使う新作和紙も1点あり、全体としてはうまくできたのではないかと思っています。

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