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 No.680

三輪 薫(みわ かおる)


No.680 日本画展と写真展 2019/12/5

本日、広尾にある山種美術館と四ツ谷のポートレートギャラリーに行ってきました。山種美術館は以前は千鳥ヶ淵の近くにあったのですが、広尾に移転し10年経ちました。現在、広尾開館10周年記念特別展「東山魁夷の青、奥田元宋の赤〜色で読み解く日本画〜」展が開催されています。この二人の青・赤の外、緑・黄・黒・白・銀・金と、色ごとに分類された作品も展示され、川端龍子、橋本明治、平山郁夫、小林古径、安田靫彦、伊藤深水、竹内栖鳳、川合玉堂、小倉遊亀、前田青邨、奥村土牛、加山又造、千住 博、横山大観、高山辰雄など、そうそうたる日本画家の作品が51点あり、全てこの美術館の所蔵作品です。東山魁夷の作品は6点、奥田元宋の作品は4点ですが、横幅5、6メートルを超えるような奥田元宋の大作「奥入瀬(秋)」もあり、加山又造の「波濤」はどうして描いたのだろうと思わせる凄い描写で驚きました。22日(日)まで開催中(月曜休館)。

僕は油絵よりも日本画が好きです。作品によっては画面構成に疑問を感じることが時々あるのですが、今回の展示作品51点の大半が納得の行くものでした。しかし、このアンバランスに感じる画面構成もじっと見つめていると何故か心が引き込まれて行くような気になるのが不思議で、写真と日本画の違いを痛感することが度々あります。日本画を見るのは写真を撮る時の参考になり、曇り空を背景に撮ることが多い僕には余白の活かし方にも興味津々であることも確かです。

四ツ谷のポートレートギャラリーでは、僕が監修のキヤノンフォトクラブ東京第5の22回目の写真展「季節のめぐりあい」が今日から始まりました。近年、クラブのメンバーの方々が高齢になってきたこともあってか退会する人が増え、今回の出品者は14人です。しかし、人数が少ない分出品作は多くなり、全員が2〜3点の組写真をメインにし、単写真も6点あり、合計43点展示しています。

作品は自然風景がメインですが、花などをテーブルフォト的に撮影したものや野鳥の作品、一見イラスト画的に見える作品もあります。このクラブの方々は実に個性豊かで、作品表現のバラエティーさは作品を御覧頂ければ分かると思います。用紙は画材紙、2銘柄の伊勢和紙、ラムダ出力のクリスタルペーパーを選んでいて、前回までは全て半切でしたが、今回は全紙を6点展示しています。プリントのラボは堀内カラーで、四切より少し大きめのテストプリントにきめ細かくレタッチ指示しています。光の陰影、立体感や奥行き感、その場の空気感までも作者が目の当たりにした時に感じたであろうと想像できるような仕上がりになっていると思います。11日(水)まで開催中。最終日は午後3時閉館。

共に是非ご覧下さい。

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