Toppageへ
 No.734

三輪 薫(みわ かおる)


No.734 「風の香り」展 2024/4/24

26日から品川のキヤノン本社ビル1FにあるキヤノンギャラリーSで伊勢和紙による三輪薫写真展「風の香り」を開催します。長年撮り続けている日本の自然風景の作品です。このギャラリーはキヤノン本社による企画展のみ開催しており、僕の作風からしてこの会場での個展はないと思っていました。しかし、昨年7月上旬に突然写真展開催の打診の連絡をいただき、折角のチャンスですからありがたくお受けすることにしました。丁度、長年伊勢和紙の中北喜得さんに要望を出していた手漉きの四八判(1100mm×2400mm)よりも短辺が長く、2:3の画面比率の画像をノートリミングでプリント出来る手漉き和紙の生産を準備し始めたと聞いていました。上手く行けばこの大判和紙を使った写真展が開催出来ると思い、楽しみが増えました。幸いにも3月中旬頃に五八判(1500mm×2400mm)が漉き始められ、ぎりぎりですが間に合いました。五八判は今回初披露です。

僕の個展は作品セレクトの前に展示レイアウトを決めます。勿論、大体の作品イメージを抱きながらですが。璧面の合計が50m近くある広い会場ですから、今回は五八判(1500mm×2400mm)を3面に各1点ずつ展示すると決めました。また、通路側にはパネルを立てず、外からギャラリー内を眺めることが出来るようにし、通路に面した所にはロール紙(860mm×2400mm)の吊り作品を6点、会場の外からもギャラリー内からも見ることが出来るよう、2枚のプリントを合わせて展示し、透過光で見せるようにと考えました。キヤノンギャラリー銀座での個展では、2007年に開催の「花逍遙U」展でギャラリーの中央に2点吊り、2016年の「こころの和いろ」と2019年の「こころの和いろ-U」でも同様に展示しました。今回は通路側に6点、ギャラリーの中央にも6点吊り下げ、通路側からのソフトな光と天井からのスポットライトでの透過光で見ていただこうと考えました。3つの壁面には五八判3点の他に四八判(1100mm×2400mm)を縦位置にして2点、縦位置のロール紙(860mm×2000mm)を6点、額装の全紙を8点、半切を4点展示します。

和紙プリントは空気感の再現性に優れ、特に大きな五八判は画面が1300mm×1950mmもあり、臨場感溢れた表現に結びつきます。大判プリントを展示の個展を何度も開催してきましたが、短編1mでしたから今回のと比べると随分小さく感じます。大きなプリントが全てではありませんが、大きいからこそ引き出せる表現もあり、長年の念願が実現できた個展になりました。大判プリントをメインにした個展は2003年に京都と六本木で開催した初めての和紙プリントによる「風香」でしたので、今回の個展は感慨深いものがあります。五八判の作品はブレとボケ味を活かした描写で、多重露光による作品も結構あります。ご来場のみなさんと共に楽しみたいと思っています。是非お越し下さい。お待ちしています。



戻る