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 No.10

三輪 薫(みわ かおる)


No.10 『写すこと』 2000/12/16

最近、デジタルカメラの事を聞かれることが多くなってきました。パソコンのことすらよく分からない僕に向って聞かれても、まともな返答を出来るわけではなく、困惑していることのほうが多いのです。しかし、デジタルカメラでの作品創りのプロセスを聞いているのではなく、デジタルカメラの利用価値や、アナログとの違いに関しての質問が大半だと知った時には、半ばほっとしたのも事実です。現在のようにデジタル、デジタルと言われていると、何か取り組んでいないと時代に取残されているような錯覚をするのでしょうか。僕は若かりし頃、漆を扱う「塗師」と言う、伝統工芸的な仕事に携わっていたので、最先端よりも時代遅れ的な関わりのほうが安心感もあり、マイペースで作品創りと取組めそうな気もしています。先日新聞記事で、「アナログカメラが以外や若い層にも人気があり、中古カメラ店にも関心を持ってメカニカルなカメラを購入する人達がいる」、また「モノクロ写真の教室にも若い女性達が集まっている」ことを知り、嬉しくなりました。現在のアナログカメラと言っても、大半が電子化されていて(カメラよりも電気製品に近い存在)、メカニカルとデジタルの中間的とも言える機構であるような気がしています。現在、プロは購入しなくなったと聞く大型カメラが静かなブームを呼んでいるらしい????。カメラは道具。誰でもが簡単に失敗なく撮れることも大事でしょうが、自分の意思で「写して」こその嬉しさも大きいと思います。
(以下、続編は後日)

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