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 No.13

三輪 薫(みわ かおる)


No.13 『写すこと』/続編2 2000/12/28

多忙、多忙と言いながらもテレビを見るのが超大好きで、最も面白く、興味のある番組はドキュメンタリー的なものや、美術番組である。時間の配分が下手な僕は、映画を見る暇を用意できなく、もっぱらテレビで鑑賞。だから映画番組も大好き。田舎育ちの日本人だから演歌や民謡も好きで、今は亡き美空ひばりや三橋美智也や三橋流二代目?細川たかしのファンでもある。歌も心に響くものが好きだ。騒音と間違えそうな?若者が熱中している音楽には心惹かれることは少ない。妻や子供達には分かってもらえない寂しさにじっと耐えているのが本音だ。歌と言えば、今年亡き人となってしまった青江美奈の歌にも情感を揺さぶるものがある。越路吹雪然り。フランク永井の歌もよかった。今は、高橋真理子のフィーリングにしびれている。日本人の心をくすぐるクロード・チアリのギターの音色にも、日本の風土の空気感を体一杯に受けているような気がする。不思議なのは、日本の自然の中でカメラを構え、自然を楽しんでいる時にクラシックのメロディーが頭をよぎることがある。それが実にその風景がかもし出す臨場感に合っているのだ。

写真もテレビや映画も映像であり、記録性や表現には共通性がある。20世紀残り少なくなった年末には、20世紀の出来事などを取り上げた番組が多く、興味を惹かれる内容も多く毎日のように放送されている。このような番組の内容はドキュメンタリー的なものが大半で、見ている時の感動や感銘は暫く、ものによっては永く持続する。しかし、いつの間にか記憶からは遠のいてしまうのが常である。その点、写真は手元にあったり、動かない分記憶に留まる確率が高く、心の奥底にもしっかりと仕舞い込まれることが多い気がする。内容によっては1枚の写真が全世界の人々に与える影響はすごいものがある。ロバート・キャパや沢田教一などの戦争の記録写真や、ユージン・スミスの水俣を撮った作品などを思い浮かべてほしい。まさに「写された」写真なのだ。

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