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 No.16

三輪 薫(みわ かおる)


No.16 『写すこと』/続編3 2001/1/30

「写す」と言うことは一体どう言うことなのだろうか。シャッターを切るのは目の当たりに見たものに感動したり、記録として何かを残したい、誰かに伝えたいと言う思いがあるはず。写真には写し手側の姿勢や人間性や考え方などが自覚しないまでも反映される。写真を「写心」と言い換えることがあるのはそのためで、「写る」写真よりも「写す」作品を創りたいと思う。「写す」写真を撮る術はいまだにはっきりとは分からない。だからこそ考える。フィルムの鮮やかな発色などに溺れることなく、小手先の技法に惑わされることなく、写真における表現とは何かを探る毎日である。自己表現の世界には様様な分野があるが、写真も同じ表現世界であるとも思っている。写真の世界に生きている以上、自分の生き様を作品に込めたいと願う。

謙虚に純真な気持ちで被写体に対し、自分の全てをさらけ出して写真と向き合っていたい。終生勉強で、自戒の念を込めて生きたいものと思っている。結果として「心に響く」作品が残せるのではないだろうか。

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