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 No.19

三輪 薫(みわ かおる)


No.19 『写すこと』/続編6『AE・AF化の落とし穴』 2001/3/3

現在の小型カメラはAE・AF化されているのが当たり前になってきた。マニュアルフォーカスに長年こだわってきた(こだわり続けてきた)コンタックスですら、昨年秋には遂にAF化したN1を発売した。今や在庫が無くて入手するには随分待たされると聞いている。しかし、考えてみると中判のコンタックスですらAF化しているのだから、小型のコンタックスのAF化は当然とも言え、将来のデジタル化を考えたボディー設計である。AFカメラは撮影には便利で、撮影の操作をカメラ任せに出来る要素が高いほど作画に集中できる。しかし、落し穴もある。便利過ぎるとカメラに使われてしまい、使いこなしているようでいて、現実にはカメラに服従?と言った使い方をしているかも知れないからだ。メカニカルカメラでは写していると言った実感と満足感も高くい。しかし、初心者ほど失敗が多い。当然のことだが、この失敗から学ぶことが本当は多いのだと体験から信じている。大きな失敗のない写りを期待できるカメラでは、どうしても中庸的な写りに満足してしまいがちである。思いきった(勘違いも含め)操作によって、とんでもない描写が生まれることも期待したいと思う。一見、失敗したと思われる描写の中に「何故か、フィット感を抱いた」覚えがないだろうか。今、全盛のズームレンズにも同じようなことが言える。1本のレンズが何本もの働きをするのだが、アドアマの人の使い方を見ていると、ワイド側とテレ側の利用が多くても中間辺りを重視した使い方や、全域をくまなく使いこなしている人は意外と少ないように思える。

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