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 No.21

三輪 薫(みわ かおる)


No.21 『写すこと』/続編8 2001/3/18

現在、アマもプロも愛用・常用機種の大半は、AE・AF化されているカメラである。特に機械の扱いには苦手な人達にも、煩わしいことは全てカメラ任せに出来、安心して楽しく撮影できるようになったのは嬉しいことだ。だからこそ熟年世代の写真愛好家が飛躍的に増えている。平均寿命も年々永くなり、余暇の時代と言われて久しいが、それらの人達に人生の楽しみや生き甲斐を与えたカメラ業界の貢献度は高いと思っている。

しかし、露出計も内蔵されていない頃のカメラでは、外部メーターや長年の勘で露出を決めていた。最近のカメラの内臓露出機構も多分割測光(評価測光)が主流になり、多少の明暗差があっても、カメラ側で自動的に露出値が修正され、大きな失敗がない。ピントも露出もカメラ任せで安心して撮影でき、作画に集中できるのはよい。しかし、余りにも便利過ぎると、以前に触れたように思考が乏しくなることもあり得るようだ。また、AFに頼りすぎるとAFフレームの部分に神経が集中しすぎ、フレーミングが甘くなる、と言った欠点も出やすくなる。今の時代のカメラを使いこなすには、便利な機構の長所を最大限に利用し、短所をどのようにして補うかが鍵になる。

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