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 No.29

三輪 薫(みわ かおる)


No.29 「写すこと」/真の姿を写したい! 2001/5/22

仕事柄カレンダー企画に、プレゼンで作品を出すことがある。よく言われるのが「三輪さん、もっと派手なフィルムで撮ってよ!」。他者の作品の色と比べ、地味過ぎると言う理由で落ちることが多いと言うのだ。

僕は地味とは思っていない。「自然をより自然らしく写した結果の作品」なのだから。売れるからと、そのような派手な色合いの作品を創る気にはならない。

プレゼンで落ちるのは、「作品が悪いから」と言う理由も考えられる。しかし、数年前に全国カレンダー展で最高賞を受けたことがある。この作品の大半はコダクロームで撮り、色も地味だ。だが、この時はプレゼではなく、ご指名だった。僕の作品を評価してくれたスポンサーとデザイナーのお陰である。僕にとって「自然をより自然らしく写した作品」が、珍しく評価された。その時の審査委員長の談話は、「本当に美しい木々であり、しかも単に美しいという今までの四季の写真とは全く違った新しい視点から捉えられた木々であった」。

本当の自然は美しいと思っている。その姿を、より自然に捉えただけのことだ。勿論、僕の美意識と感受性で写したものであることは、言うまでもない。

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