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 No.43

三輪 薫(みわ かおる)


No.43 『写すこと』/愛用カメラ−3 2001/8/14

残念だった悔しい思い出がある。写真を学んでいた苦学生の頃、メーカー主催のモデル撮影会でお手伝いをし、合間にひらめいて、ちょこっと撮った作品を応募した所、見事に1席!。全国各地の撮影会作品を集めた“実質年度賞でもトップ”扱いだった。

その明くる年(卒後、上京した年)の副賞賞品は、そのメーカーの最高級ボディー、キヤノンF1。当時の大卒初任給の2倍近い高価なものだった。しかし、しかし、僕が手に入れたのは数千円のライター1個のみ。「1年違いだから中級機でも」と期待したのだが、見事にハズレ!。講師の言葉は「他人のカメラで、君は6〜7枚撮って、プリントしただけだ!」。確かにカメラは先生のを借り、フィルム所有権も現像も先生‥‥。僕のレンズでは、ひらめいた作画を表現できなかった。ちなみにその時のレンズはスーパーワイド。でも、中古すら買えなかったので、惜しかった(悔しかった)。当時は羨望の眼差しで見詰めていたカメラだけに、いまだにその1年の違いを恨めしく思っている。人生の運とは、そのようなものなのだろうか。

恨み?を晴らすべく、その後新旧タイプの4台を入手した。2台は中古。現在は、オイル交換して−30℃以上の極寒時のみ活用している。このような酷な撮影条件下では、メカニカル機種のほうが信頼性は高く安心で、最後はメカニカル機種が頼りになる。

この撮影会時の講師は僕の仲人親で、キヤノンEFレンズHPの担当者は講師の息子さん。その時の借り?を、息子さんが形にしてくれた???。世の中面白く、不思議なもの。

それに比べると、最近の撮影会の賞品や賞金のよいこと。時代が変わったとは言え、随分今の人達は恵まれている。

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