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 No.46

三輪 薫(みわ かおる)


No.46 『生きること』/沖縄の現状と選挙 2001/8/22

7月の参院選で沖縄から上京して立候補し、沖縄の現状を訴えた人がいる。この人も落選と言うには少な過ぎる得票数だった。通り過ぎる人達に語り掛けても反応は少なく、田氏と同様の思いだっただろう。沖縄が抱える問題や事件の数々は、新聞やテレビ等で大半の人が知っていると思う。しかし、沖縄から遠く離れて暮している者にとって、直接火の粉が降りかからない限りは身近な問題として考えられないのも現実かもしれない。

ここ数年、沖縄へ撮影に行き、基地の周辺を走ることもある。しかし、テレビで放映されているような現地の人達にとって厳しく、苦痛な現実は伝わってこない。実にのんびりとした常夏の島と言った風情が漂っているようにしか感じられない。増してや、訪れたことのない人々には、観光地としか考えていなくても不思議ではないと思う。だからこそ、関東に出てきて立候補しても、本当の現実は選挙民には見えてこないのだろう。航空会社のコマーシャル、NHKの朝ドラなどを見ても、沖縄の人達の苦痛などを感じることはできない。それどころか都会の厳しい現実の生活からすると、夢のような風土と生活に思うかもしれない。僕が住む相模原市の中心地にも米軍基地があり、隣の厚木基地は飛行場もあって大きな問題を抱えている。

平和な国を維持するには、それなりの覚悟と負担をするのは国民の義務だが、余りにも地域格差があるのが問題だ。現実を直視し、国民の平等な責任と負担を考えることも必要だろう。

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