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 No.48

三輪 薫(みわ かおる)


No.48 『写すこと』/愛用カメラ−4 2001/8/23

僕等が上京した30年近く前は、中判カメラはハッセルブラッド、大判カメラはリンホフかジナーなどを持っていないとプロではない!、ともささやかれていた。ツアイスレンズの素晴らしさはローライフレックスで確認済みだったが、当時のハッセルは相当高価でとても買えなかった。仕事を始めた頃、何とか入手した。その後ボディーやレンズの本数も増えてきたが、最後に購入のレンズでも15年以上になる。所有レンズには製造からは30年に近い中古品もあり、それらのレンズは今も現役で素晴らしい描写を見せてくれるから嬉しい。機材とは、本来こうあるべきなのだと思っている。昨年開催の個展では、それらのレンズで撮ったものも畳1枚分くらい大きく引伸ばしたが、トーン、グラデーションの崩れは見当たらなかった。しかし、現状はこれらの全てのレンズが本命のハッセルで使えている訳ではなく、コンタックス645によって蘇ったものもある。

当時のハッセル用のレンズは全てレンズシャッター方式で、長年の使用で修理を繰り返して使っている。修理金額もバカにならず、諦めてお蔵入りしたレンズもある。そのレンズ達が、新登場のコンタックス645で蘇った。今や、中判カメラのライバルとなっている同じツアイスレンズを使うメーカーが、純正のハッセルレンズ用のアダプターを用品として発売しているから不思議である。と言うより「京セラ(株)はエライ!」と感心している。他のメーカーがツアイスやライツのレンズを、自社のボディーに装着できるアダプターを用意しているなど聞いた事がない。コンタックスの35mmカメラ用にも以前から用意され、純正だから造りもよい。

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