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 No.54

三輪 薫(みわ かおる)


No.54 『写すこと』/コンタックス645の可能性 2001/9/10

コンタックス645のレンズを見ると、とてもAFレンズには見えない。外見は普通のMFレンズと同様に見える。コンタックスG1が発売された時にメーカーに言ったことがある。どうしてレンズにフォーカシング用のヘリコイドを無くしたのか、と。今のレンズではボディー設計に限りがあるように思う。AFレンズでありながら絞りリングとフォーカシング用のヘリコイドを残す事によって様様なボディーを開発できるからだ。645が開発され、発売前の試写を依頼された時には、なるほどと思ったものだ。見事に僕が望んでいた仕組みになっていた。ボディーとレンズの開発を考えると、ボディーのほうがサイクルは早い。いかなるボディー設計にも対応できるレンズにしておくと、時代の進化に応じたボディーを供給できる。

G2以降のボディーは出てくるのだろうか。一眼レフ用のレンズと違って設計に無理がなく、あれだけの描写力を持っているレンズだから期待したい。MFがもっと正確迅速にセットできれば、M型ライカを凌ぐカメラの登場も夢ではなかったような気がする。今のG2でも、G1よりは随分合焦が速くなったが、まだまだである。ボディーにマニュアルフォーカス用のダイアルがあるとは言えライカタイプと比べ使いにくく、スナップ写真をブレッソンのような決定的瞬間では撮りにくいと思う。MF用フォーカシング用のヘリコイドを残していれば可能だったはずだ。

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