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 No.60

三輪 薫(みわ かおる)


No.60 『生きること』/国立公園 2001/10/22

随分前になるが、尾瀬ヶ原で入園料を徴収する提案がされたことがある。結果的にはキャンセルされてしまったが、どうしてだろうか。僕は大賛成である。素晴らしい自然に触れ、一時の楽しみを得るには少々の金額を負担してもよいと思っているからだ。尾瀬も日本国民のものだから、誰でも無料で入ることが出来るのは当然と言う考え方もある。しかし、尾瀬は全世界の地球人や、そこで生息している動物や植物達の貴重なものでありながら、年々侵され破壊され続けているのが現状である。自然の素晴らしさを保つために、それなりの維持費が必要なら、その素晴らしさを体感したい人が負担してもよいと思う。受益者負担の考え方である。

以前訪れたアメリカのヨセミテ国立公園や、オーストラリアのエアーズロック、今年訪れた中国世界遺産の九寨溝や黄龍などは、しっかり入園料を徴収していた。自然を重く考えて欲しいと思う。このような国の国立自然公園の中にはホテルも少ないし、場所によっては建設を認めていない。国立公園の中にホテルや山小屋を林立させ、そのホテルのために税金で立派な道を造り、汚染源筆頭の贅沢な山小屋を乱立させているのが日本の姿だ。山小屋の形態は避難小屋で十分と思う。寝袋を担ぎ、自炊の用意をして臨むべきと思う。そして保全するための入園料を取ればよい。それでも行きたい人は、受益者負担の精神で行けばよいのだ。自然は守りたいものだ。

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