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 No.71

三輪 薫(みわ かおる)


No.71 「写すこと」/作品展−2 2001/12/7

以外と難しいのが、自分の個展作品のセレクトである。他の人の作品は冷静に見られても、いざ自分のこととなると感傷などが入り込み、迷いも大きくなる。大筋で決めても、1点入れ換えると全体の流れも時には大きく変わり、印象も違ってくる。個展では余程大きな会場でない限りは全体の作品が視野に入り、1点と言えどもセレクトを疎かにはできない。本や全壁面が一度に見えない会場では、一部の作品しか目に入らないため、セレクトや展示方法も違ってくる。

今回の個展「風色」でも、プリントが進行していながら迷いが付きまとい、最後には数点だがサイズも2種類用意して決めた。また、額装などの見せ方によっても同じ作品が違う印象を与えてくれる。パネル、額装などの仕様はおろそかにできない。以前はギャラリーに用意された額を借りて展示していたが、どうしても初期の期待感と違ってくることが多い気がした。だから最近はオリジナルの額を用意している。額を含めての作品表現と考えているからである。装丁も高額だからよいと言うものではない。時には、プリントを直接に壁にピンナップするほうが効果的な場合もあり、そのような個展を開催したことがある。作画と表現における展示方法の研究も大切だ。

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