Toppageへ
 No.72

三輪 薫(みわ かおる)


No.72 「写すこと」/作品展−3 2001/12/9

プリント仕上げには、ポジからダイレクトプリントするか、インターネガを作ってネガプリントにするかを考える。最近の僕の個展は全てネガプリントである。サイズが大きいと言う理由もあるが、トーンがダイレクトに比べて優しく、豊かで滑らかなグラデーションが再現できるからだ。自分が求める作画には合っていると思う。しかし、毎年開催のクラブなどのグループ展の場合は、プリントの研究の為に交互に方法を変更する場合もある。写真展もプリントの勉強の場と考えているからだ。

まず、キャビネ〜六切りくらいのテストプリント(ノートリミング)を作り、それに全体の色合い、各部の濃度調整等を指示してから本番プリントを発注する。視野率が低くてファインダーでは見えていなかったものが入っている場合は、その部分をトリミングすることもある。しかし、原則としてグループ展とは言えノートリミング主義を貫いている。トリミングを繰り返していると撮影時にフレーミングが甘くなるからである。本番プリントも何度もチェックし、期待通りに仕上がっていない場合は再プリントを繰り返す。フイルムにはラチチュードがあり、それを越えて再現できないハイライト部分にはレタッチで調整することもある。ラボによってはレタッチマンがいないところもあるようで残念だ。

プリントに対しても大切なのが撮影フイルムである。プリントの銘柄や画質などにこだわる以上に、フイルムにもこだわりをもって欲しい。銘柄の違うフイルムを使うと随分色調などが変わってくる。今回の個展「風色」では最終的に26点セレクトしたが、作画と表現目的で使い分けた11銘柄のフイルムで撮った作品を展示する。この辺りにも注目して見ていただきたい。

戻る