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 No.73

三輪 薫(みわ かおる)


No.73 「写すこと」/作品展−4 2001/12/11

額装などの見せ方も大切で、額装やパネル等の展示方法によっても作品の印象は違ってくる。手抜きは禁物である。全ての写真展に言えるわけではないが、これらの見せ方へのお金の掛け方が少ない作品展も目立つ。勿論、予算に応じた見せ方もある。額は様々な銘柄が発売され、専門業者の注文額と同様に見える安価なタイプもある。「わの会」やクラブ展等では出品者の負担が少ないフイルムメーカーの安価なものを愛用している。

プリントが波打って見栄えが余りよくない写真展も見かける。裏打ちするマット加工では随分見栄えもよくなる。専門業者がない地域では、裏打ちをフジカラーサービスから発売の「バックシート」で行うとよい。自分で簡単に出来、失敗も少ない。マット加工ではVカット(画面の外側1cmくらいに溝を彫る)を入れると俄然作品もお洒落に見えてくるから嬉しい。

個展を数年ごとに開催する場合は、自分の作品に合う額を用意するとよい。額からマット加工したプリントを外すと、1枚当りの厚さは4ミリ程で、作品展後の収納性と保存性も高い。50点の展示でも20センチの厚さにしかならないからだ。パネル加工とは大きな違いである。額は何回も使えるが、パネルはその場限りである。パネル加工とは言え、業者に依頼すると結構な金額になる。見栄えと再使用できることを考えると、額装はお勧めである。しかし、額装がベストでないことは確かで、「作品展−2」で述べたようなピンナップの方法もある。以前行ったこの方法でも、波打つプリントが嫌で、厚紙にドライマウントして展示した。この時も業者に依頼すると結構かかり、その予算でドライマウント機を購入し、自分で作製した。後にファインアートプリントのフラットニングに役立っている。この作品を壁に留めるピンのデザインにもこだわり、随分捜しまわった記憶がある。

挨拶文・名札(名前)なども考慮したい。小さな会場では挨拶文・名札などを控えめにするとすっきりし、随分作品が引き立って見えるはずだ。何事も「こだわり」が大切で、会場・作品内容等によって展示方法を変えることも必要である。今回の個展「風色」では、『侘び寂』の自然風景を撮った作品に合う木製の額を選んだ。額も含め作品表現と思っているからである。

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