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 No.74

三輪 薫(みわ かおる)


No.74  「写すこと」/作品展−5 2001/12/14

マット加工にもいろいろある。最も簡単で安価なのがオーバーマットにプリントをテープで止める方法だ。この方法は最も安価であるがプリントが波打ってしまう。一般的な写真展によく見られる。オーバーマットの下側にも、同じマットを使う「ブックマット」と言う方法がある。ファインプリントなどを、加工せずに2枚のマットで挟む方法だ。この場合は、印画紙の余白(余黒)を多くとれば平面性は結構保つことができる。しかし、プリント料は画面ではなく、印画紙サイズなので高くつく。最もお勧めなのが裏打ちをするマット加工である。プリントの平面性もよく、見栄えもよい。

マット加工で注意したいのがマットの材質である。画材店などで安価なタイプを選べるが、この材質によっても印象も違ってくるので注意したい。以前、試しに茶色などの紙を貼り付けたマットを選んで加工したことがあったが、作品内容とマットの色の組み合わせが難しく、上手く行かなかった。写真はモノトーンが合うようだ。最も一般的なのが白。しかもニューマットかミュージアムボードがお勧めである。オフホワイトの優しい白さがどのような作品にも似合うから不思議である。白が嫌なら黒、黒でも嫌ならグレーを選べば無難だ。

マット加工する場合の注意点は、このマットの幅である。ある程度は欲しい。先日までドイフォトギャラリーで開催していたキヤノンクラブ東京第5支部展は、普通全紙の額よりも一回り大き目のタイプで展示したため、余白もたっぷりととれ、実に見栄えがよかった。全紙程度のプリントには、10センチ程あるとよい。中途半端に狭くするなら、いっそのことマットを入れず、余白がない見せ方のほうが作品のインパクトが増して見える。

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