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 No.75

三輪 薫(みわ かおる)


No.75  「写すこと」/個展開催 2001/12/24

15日、銀座キヤノンサロンでの初めての個展が終わった。定期的に開催しているコンタックスサロンとは違い、会場は少々狭く、外光も入ってくる。今回の作品は半切2枚、全紙21枚、全倍を3枚展示した。ここの所、カラー作品の展示サイズは益々大きくなり、前回の「風光−IV」は小さいサイズでも全倍より大きく、最も大きなサイズは畳1枚以上である。今回は久し振りに小さなサイズでの展示であったので、空気感や臨場感がどれほど出るか気掛かりだった。しかし、会場のインテリアや外光が入ることを考慮した作品セレクトやプリント仕上げや額装などによって、心配は杞憂に終わったと思っている。

今回の作品は、自然風景を撮り始めてから暫く経って取り組み始めた「日本の侘び寂風景」である。来場者からは、今までの作品傾向と随分変わったと言う感想が多く聞かれた。このような視点での作品群を展示したのは初めてであるから当然のことだと思う。しかし、今までの自然風景の個展は今回の布石となる作品展で、長年ツアイスレンズで取り組み続けてきた「侘び寂」をEOSでも並行して撮ってきたものを展示した。自然風景を撮るためにキヤノンからコンタックスへと切り替えたのであったが、「侘び寂」作品表現の最初の確認をEOSで行ったのは、不思議な巡り合わせとしか言いようがない。

今回、キヤノンサロンで個展を開催したのは、写真界に入ってからずっと30年余りもお世話になってきた、現在キヤノンサロンにいる田村民雄氏が遂に定年を迎えたからでもある。何かに付け声を掛けてくれる心強い人だ。ほんの少しだが恩返しができたかなと思っている。

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