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 No.79

三輪 薫(みわ かおる)


No.79 『生きること』/どうなるのか21世紀 2001/12/30

今年一年を振り返って見ると、やはりニューヨークの惨劇が一生忘れない事件となるだろう。アフガンでの戦いは小康状態になっているようだが、ベトナム戦争の時の記憶と重なってくる。この国に本当の平和が訪れるのはいつの日になるのだろう。イデオロギーや宗教の違う人々が同じ社会の中で暮らすことの難しさを痛感しないではいられない。このような戦争を繰り返しても、何も解決しないようにも感じる。人間とは、何と戦いやいがみ合いが好きなのだろうか。もっと仲良く暮すことが出来れば、世界中どんなに幸せなことか。

一見平和に見える日本でも、人としての見本となるべき政治家や人の上に立つ人達の言動や、私利私欲や狭い了見に満ちた振る舞いや不祥事に終始した姿が目に余る。実に情けないことである。このような人達の風貌を見ても品位を感じられない。何故、このような人達が表舞台に出てくるのか、実に不思議と思わざるを得ない。政治にしても企業などにしても、トップに立つ者のどれほどの人達が、日本の現状に対して本当の危機感を抱いているのか分からない。世界有数の赤字国なのに、束の間を乗り切れば、もう関係ないという姿勢が見え隠れしている現状は嘆かわしいし、日本の未来への展望が持てない気がしてくる。

失業率も低くなるどころか、高くなる一方である。バブルがはじけて久しいが、そのツケがいまだに尾を引いている。人間謙虚に生きたいものだ。バブルに乗っかって稼ぎまくり、挙句大損したり、浪費に身を費やしたりと、枚挙に暇がないほどである。

時代は進み、写真業界もアナログからデジタルの世界へと、かなりの速度で移行している。あおりを食って元気がない企業も多い。科学が進歩すると後退するものもある。アナログの世界も、その内に衰退の一途をたどることになるのだろうか。デジタルにはそれなりの良さもあり、否定はしない。現在もっと勉強しなければと思っているくらいだが、アナログあってのデジタル世界と考えている。来年は4年毎に開催している「ファインアート・プリント展」を9月に行う。この世界も暗室作業で行う手作業のプリントと、デジタル化したシステムの中で生れてくる表現との違いに興味が湧いてくるのも現実である。来年以降、どのように変わってゆくのだろうか。

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