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 No.80

三輪 薫(みわ かおる)


No.80 『生きること』/元気な世代 2001/12/31

今、ご年配の方々がとても元気だ。このような先輩たちの姿を見ていると、生きる希望が湧いてくる。それ比べ、僕のような50代やもう少し若い40代の人達はどうだろうか。押し寄せる不景気風をまともに受け、リストラや企業不振にあえいでいる人もいる。周りの60代後半以上の人達には生活も安定した人も多く、余生ならぬ青春を謳歌しているかに見える。勿論、体力的な問題や病気と戦っている人もいるが、元気な人が多い。

日本人の寿命は年々伸びている。このような時代、余暇の過ごし方を身に付けていないと心寂しいものだろう。写真愛好家のクラブの会員や、写真教室に通ってくる人達は上記のような元気な人が多い。自分もこのような年齢になった時、同じような元気さでいられるだろうかと思うほどだ。まだまだ若いものにはと、いまだに現役で活躍している人もいるが、十分に用意されている自分の時間を仲間と過ごし、生きている証を作品に反映させる喜びも大きいと思う。写真は気軽に入れる趣味であり、自然を対象にしていると身体も動かし、知らぬ間に体を鍛えていることにも繋がってくる。泊りがけの撮影に出掛けると、温泉に入り、美味しいご馳走を食べる楽しみもある。先日撮影ツアーに出掛けていた先で見たテレビ番組で、ご年配の方がアスレチックで体を鍛え、筋力アップに努めている姿を眺めていた。持久力が格段に向上し、結果として病気も少なくなり国の医療費負担が随分少なくなっているとのこと。レポートしていた30代のアナウンサーよりも70代の方のほうが体力的に勝っていたのが印象的だった。

自然を撮りに行くと歩くことが多くなる。まず足から来るという老化を防ぐことができる。そして、写友が増えればより楽しい人生となる。年と共に年賀状を書く数が少なくなってくると嘆くこともなく、返って人との付き合いは増える一方である。こんなに喜ばしいことはなく、益々元気な人生を送ることができる。このような世代の元気で自由闊達な人達を見ていると、未来も明るく感じてくるから不思議だ。嬉しい人達である。あおられているのは、我々の世代だろう。

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