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 No.101

三輪 薫(みわ かおる)


No.101 『旅』/旅の宿 2002/3/6

撮影ツアーや撮影会などの企画や講師を担当することが多い。天候は運に任せるとして、撮影が終わってからの楽しみは温泉と夕食だろう。団体の食事は大抵宴会場で取ることになる。温泉は兎も角として、料理はどうして何処もかも同じようなメニューになってしまったのだろうか。物資の流通が発達したためか、山奥でも刺身は海の幸が多い。料理の品数は多いが、天婦羅や焼き魚などは時として冷え冷えとしていることもある。レストランや料理屋でこのようなものを出したら、お客は二度と来てくれない。料理は、暖かくして食べるものは暖かく出して欲しいと思う。

だからと言うわけではないが、心をこめた料理を出してくれる宿は嬉しい。職業柄色々な宿に泊まり、気に入った嬉しい宿は定宿となり何度もお世話になる。また、撮影ツアーやクラブなどの撮影会で皆さんをご案内したくなる。不景気の今こそ、見せ掛けよりも心を込めた料理を出せば、きっとその宿は繁盛するだろう。

昨年、撮影ツアーで皆さんをご案内した月山の宿「つたや」は、その前にある定宿となっている「まいづるや」で『良い旅館だから、一度泊って見たら』と言われて泊ってみた。その時に作り立ての料理が次々と食事のリズムに合わせて出てきて感激した。しかも、通常の料理ではなく、土地の食材をふんだんに使ったものだった。その出し方はツアーでも同様で、参加者は感激していた。料理人の心意気を見る思いをしたものだ。勿論、「まいづるや」も心を込めたもてなしをしてくれる嬉しい宿だ。昨年冬に泊った時、ご馳走になった上澄ワインと濁り酒も最高で、余りの美味しさにお酒にはまだまだ修行が足らないと自負する僕が、ワイン1本とお酒を4合近くも飲んでしまった。それでも二日酔いはなかった。真冬の地酒は最高だ。

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