Toppageへ
 No.106

三輪 薫(みわ かおる)


No.106 『写す』/写真の楽しみと作品創作の向上 2002/3/23

フォトワークショップ「風」は僕が、「昴」はメンバーが主宰している。その中には、僕が長年常任講師を務めていたあるクラブに所属していた人が何人かいる。僕がそのクラブの講師を退任することになり、共に作品創りの向上を目指すため、引き続き僕と付き合ってゆきたいと相談を受けた。それらの人が「わの会」会員に呼び掛けて発足したのが「風」で、そのクラブに所属している一部の「わの会」会員にも発足の案内をした。「昴」は別な「わの会」会員の仲間が集っているが、両方属している人もいる。

しかし、そのような行動を非難した人達がいた。元のクラブの幹部達である。クラブでの例会だけでは作品創りの限界もある。僕が常々「クラブは写真と人との出会いを楽しみ、写真教室やワークショップなどは、写真を学び向上を目指すのが第一の目的とするところ」と言い続けてきた。勿論、クラブに所属して活動していても、自分一人で写真と関わっているよりも遥かに上達は早いと思う。また、切磋琢磨すれば写真教室に通うよりも成果も高くなるかも知れない。しかし、写真愛好家の方々が、自分一人で高い目標に向かって突き進むのは、大変なことであるのも事実である。

先の幹部達の言動には呆れた。向上を目指す仲間にエールを贈るのではなく非難をし、「風」の実態を歪曲して伝え、共に行動をしないようクラブ会員にプレッシャーを掛けた。しかし、クラブを離れ向上を目指した人達は早々と個展開催が実現した。趣味としても個展を開催するのが夢であり、目標の一つであることも多いと思う。しかし、個展などは念頭にない人もいる。様々な考え方や楽しみ方もあり、何がよいのかはわからない。「風」に参加しなかった人達は、そのクラブでの楽しみ方のほうに惹かれたからだと思っている。向上を目指す人達を非難さえしなければ、それはそれでよいことだろう。

向上の早道を選択したいなら、プロが指導する教室に通い、作画と表現を身に付け、気付かなかった自分の表現世界をアドバイスされる道を選ぶのも方法のひとつである。しかし、指導のプロの志向と、自分が目指す方向性が合っていることが大切である。プロの指導者がいるクラブでも同じことが言える。写真愛好家と言えども、そのような見極めも必要である。

戻る