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 No.116

三輪 薫(みわ かおる)


No.116 『自然』/観光地の展望台 2002/5/30

久しぶりに十和田湖を訪れ、展望台の一つである「瞰湖台」に行ったら立派な木製のデッキが出来ていた。手摺りは結構高く、急斜面に展開する素敵な崖下の木々を入れながら湖を撮るのは大変難しくなっていた。背が低い人では下を見下ろすことは困難で、ましてや俯瞰撮影は難しい。以前は2段になっていて、カメラマンは下段に、上段には観光客がいても両者が素晴らしい十和田湖の景観を十分楽しめた。しかし、どう考えてもカメラマンや背の低い観光客などを排除することを目的として作ったとしか思いようがない仕様になっている。勿論、以前は下段での撮影には多少の危険はあったが、ご年輩の方でも何らトラブルはなかった。危険だから気を付けるのだと思う。しかし、手摺りが二段になっている仕様では、手前の低い手摺りに乗ると危く、小さな子供達が身を乗り出して下を見ようとすると逆に危険が増すと思う。シーズンには観光バスで多くの人達が必ず寄る場所で、カメラマンも多く集まる。だから、同じ作るなら上下2段の展望台にして欲しかった。紅葉時などの混雑時には観光客から長時間カメラを構えるカメラマンが邪魔だと言われることも少なくなるような気がする。また、今回の仕様では手摺りから身を乗り出して落ちたら崖下に一直線である。せめて下段を残すような配慮も欲しかったと思う。

蔦沼にも同じ事が言える。沼への遊歩道が整備され、雨や積雪でも歩きやすくなったのはいいのだが、岸辺には地上高のある瞰湖台同様の立派な展望台が設置されている。以前は岸辺を入れながら蔦沼を撮ることが楽に出来たが、岸辺にせり出した作りのため岸辺を多く入れたフレーミングは不可能になってしまった。超広角レンズでは展望台の土台が写ってしまう。

十和田湖の瞰湖台では、真下の木々を見ながら全景を眺めると素晴らしい感動が呼び起こされてくる。蔦沼も同様で、岸辺を含めて眺めることで蔦沼の素敵な姿を体感出来ると言っても過言ではない。共に1〜2メートル下げて設置すればよかったと思う。蔦沼では自然破壊を考えてのことなら、人が多く集うよりも何倍もの重量のデッキを岸辺近くに設置する方が悪影響も生まれると心配だが如何だろうか。

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