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 No.118

三輪 薫(みわ かおる)


No.118 『自然』/自然を保つことの難しさ 2002/6/10

日本の自然は世界的にも素晴らしいものだが、一大観光地となった所では人の手が入りすぎたり、人間のエゴのために自然バランスが崩れた場所が多くなっているように思う。

奥日光の小田代ヶ原では自家用車などの規制を始めて久しいが、保護の手が厚く、増えすぎた鹿のため柵を巡らし、木肌を鹿に食われないよう地面に近い幹の部分は金属のネットに覆われている。初めてみた時にはビックリした。上高地も自家用車を規制しているが、黒煙をまき散らすジーゼルエンジンの観光バスなどは遠慮なく入り込んでいる。国立公園の中だというのに高額なホテルが数多く林立している。ここには自然を守ろうとするよりも、目先の利益を追求する姿が目に余るほどだ。尾瀬の山小屋も結果としては同様の姿勢に感じてしまう。

自然をこれ以上悪くしないためには、その場所の自然の素晴らしさを多くの人が知った後には、自然の中に人を入れないことも必要だろう。場所によってはある程度の期間観光客などを制限することしか方法がないような気がする。勿論、公共のバスやタクシーなども同様で、尾瀬や上高地などもせめて10年間くらいは管理の人以外は入れなくし、山小屋やホテルなども休業させるくらいの英断が必要だろう。アルプスなどの山小屋も同様。これらの山小屋も結構、自然破壊に手を貸しているという記事を目にしたことがある。この現実をもっと告知すべきだろう。尾瀬・上高地・アルプスなどの山小屋やホテルは、素晴らしい日本の自然を守る気があるのなら、もう必要ないと思う。あるから、多くの人が行く。勿論僕も同様。それでも行きたければ、それなりの装備と覚悟で臨めばよく、避難小屋程度で十分だろう。破壊をくい止めるには、もうこの手しかないように思うのだが。

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