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 No.121

三輪 薫(みわ かおる)


No.121 『自然』/自然汚染に手を貸す山小屋 2002/6/25

先日山小屋の話を書いたばかりだが、新聞に尾瀬の長蔵小屋がゴミの不法投棄を繰り返していた記事が載っていた。やはりと言わざるを得ない。発泡スチロール、配水管、廃材、廃プラスチィック、空き缶、ガラスくず、などなど。数十トンものひどさである。ばれての反省が十日間の営業の自粛とは呆れたものだ。自粛ではなく、即廃業すべき重大な計画的犯罪を犯したことを全く理解していない。商魂にすがった姿や貧しい心には、ただただ驚くばかりという他はない。確かに先代の方々が尾瀬の自然を守ることに努力や貢献をされてはいるが、4代目にしてこの有様では全てが帳消しになってしまう。随分前だが、尾瀬沼で船を燃やしたのは何処の山小屋だったろうか。それをドラマ化したどこかのテレビ局も日光の湖に燃やした船を放置したままだったと聞いたことがある。山小屋と言い、放送局と言い、慢心がなせる業であろう。

以前生徒さんに聞いた話だが、ある山小屋では夏などの観光シーズンには、1日の売り上げで金庫の蓋が閉まらなくなっているほどだと言う。これが人気スポットの山小屋の現実だろう。尾瀬などの入場制限をする前に、山小屋の営業を止めさせる方が自然破壊をくい止められると思い、以前から言い続けてきた。尾瀬の自然保護団体の人達は、この事に強く触れないで入山の制限をまず言っている。噂のある山小屋だけではなく、全国全ての山小屋で調査を実施すべきなのではないだろうか。そして、今回のような不祥事が発覚したら、即営業を差し止め、二度と営業できなくするくらいの英断が必要だろう。今国会で成立したという改正自然保護法では利用制限や立入禁止もできるようだが、これらは入山者向けのことのように思うが、山小屋に対してはどの様に考え、解釈しているのだろうか。

山小屋もホテルなどの宿も国立公園内から即刻出て行かなければ、またこのようなことが繰り返されるだろう。いや、今でもどこかで同じ様なことが行われていないとは言えないかも知れない。山小屋などの宿があるから僕も行きたくなり、同じ気持ちを抱く人も増えるばかりである。そこに目を付け、商魂たくましい旅行社がますます多くの人を送り込み、山小屋などの経営者が悪事を重ねることにも繋がってくるのだろう。

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