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 No.85

三輪 薫(みわ かおる)


No.85 『生きること』/お互い様と助け合う心 2002/1/4

世間では高額なブランド品を扱うショップが人気だが、一方では極安ショップがもてはやされている。日本の人件費に見合った物を製造していては激安の販売はできなく、製造部門は海外に移ったり、海外の格安品が多く輸入されている。だから益々衰退する日本の企業やショップも増えている。束の間の家計の緊縮よりも、長い目で見た日本経済を考え、お互い様と助け合わなければこの世も闇となりそうだ。海外生産の安価なものだけではなく、多少高価でも日本で生産されたよい品を買うことも「世の中の役に立つこと」と思うが、いかがだろう。勿論、過去には日本が逆の立場で高度成長を遂げてきたのは言うまでもないことだが。

一般商品だけではなく、農産物などにも言えることだ。恐牛病に泣いている肉屋さんや焼肉・ステーキ店などもあおりを食っている。政府や政治家と業界の担当者達とマスコミなどは真相を明かし、安心のデータを公表し、責任転嫁をしないでこれらの業界の悪影響を取り除くことに邁進すべきだろう。食料品の海外への依存度が高い日本は、国内生産者との価格差も深刻な問題となっている。先進国の多くが100パーセントを越える自給率を誇るのに、日本の余りにも少ない危険度を政治家や国民はもっと認識すべきだろう。

三宅島の噴火によって、伊豆七島の観光客の目減りもまだまだ深刻のようだ。地震の影響が東京よりも少なかった八丈島の観光客は、まだ元の数まで回復していないと聞いている。まだ帰島できない三宅島の人達はもっと大変で、気持ちは当事者でないと計り知れない。今回の地震で三宅島から八丈島に移り住んだ人が人生で3回目の噴火を経験し、2度も家を壊され、もう戻りたくないとも聞いている。

また新しい年を迎え、人生の折り返しを随分前に過ぎた者として、半生に満たない人生を送るためには、今後どのように生きていったらよいのかと、改めて考えてみるのもいいことだと思っている。

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