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 No.94

三輪 薫(みわ かおる)


No.94 『生きること』/観光地の商売 2002/1/28

常任講師をしているクラブ撮影会で榛名湖に行ってきた。他の仕事もあり、今回は自分の車で現地に行き、参加者の皆さん35名と合流した。朝早く出掛けたので遅い朝食を湖畔の喫茶店で取ったのだが、実にひどい店だった。店内は掃除もしていないような有様で、テーブルの上も同様に感じた。同行の妻は出ようと言ったのだが、折角入ったのだし、実はこの店に入る前は時間が早過ぎて開店していた店がなく、この店が4軒目だった。諦めて食べることにした。出てきたのは厚目のトースト。しかし、パンの上に付けたバターが溶けない。手にとって見ると冷えていた。どうも残り物をそのまま出してきたらしいのだ。他に目玉焼きとキャベツの千切りと一切れのトマト。そして、美味くないコーヒー。それで二人分で2000円だった。こんなひどい店は珍しい。榛名湖には20年も通っているのだが、この店には絶対行かないことにした。妻の進言を無視したバチが当たったのだろうか。

現地の知人も嘆いていた。このような店は程度の差こそあれ、この店だけではないらしい。榛名湖の心証を悪くするばかりだと。明くる日に全員の昼食をお願いした「ふじや」は良心的な店で、ご主人の唐沢利一さんは写真も撮り、野草にも詳しい。店内には榛名湖や草花の作品が多く展示され、写真愛好家も多く集まってくる。しかし、榛名湖に限らず観光地には人の心を逆撫でするような店もある。ぶったくりの貧しい精神で商売をしている店だ。先日訪れた北陸でもあった。こちらが近道と無理矢理店内に誘い込まれ、そのまま歩いて行くと実は遠回りで、違う方向へ行く僕達を親切な別の店員が追いかけて教えてくれた。これらの人は「損して、得取れ」ということを知らないようだ。並の商売なら損はしないし、誠意を持って応対すればまた来てくれる。

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