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 No.169

三輪 薫(みわ かおる)


No.169 『車』/細かい配慮 2003/2/22

車の運転には余り興味がなくなったことや、撮影で出掛ける前の日には留守中の仕事をこなすために徹夜になることが大半となり、取材には妻に運転を担当してもらうことが多くなっている。しかし、車は好きで、たまにはカーショップを覗いている。

僕の撮影用の車はディーゼルエンジンで、排ガスのこともあり、買い換えたいと思って数年前から度々ディーラー巡りをしている。しかし、300万円を超える4WDタイプの車でも、外見やカタログ上では豪華な装備だが、実用価値の疑問なデザインや、使い勝手がよくないものが相変わらず多いように感じる。1BOXの4WDタイプの車では最低地上高も年々低くなり、舗装道路以外や積雪の道での走行が心配である。最近ではレンタカーの利用が多くなり、自分の車の使用がかなり少なくなっているため、買い換えへの期待感も薄れている。

車は走る道具である。不必要と思われる外見的な装備やデザインよりも、道具としての完成度を高くし、実用価値的に重要な部分にお金を十分掛けて欲しい。長距離走行にも疲れが出ないイスの座り心地、高速走行での安定感を生む足回りの構造、ドアの開け閉めの音の心地よさなど、もっと考えて造って欲しいと思う車が多い気がする。知人の車にはレカロのシートに交換しているものが結構多い。車のイスは応接セットのイスと同様、フカフカとしたものや、お尻の部分が低くセットされているタイプは、初めはよいが長時間座っていると腰がだるくなり疲れる。身体に優しい仕様が望まれる。7年近く乗り続けているワーゲンゴルフのイスは、いまだに新車時と変わらない座り心地で、大衆車でありながらも足回りもしっかりしていて、高速道路での安定感も新車時のままのような気がする。大きな故障も未だにない。高速になると浮き上がったように感じる一部の車と違って、路面に吸い付くように走るから心強い。他のヨーロッパの車も同様と聞く。

僕は国産車では三菱党で、30年近く浮気もせずに乗り継いできた。2台所有でも三菱だった。何故かと言えば、トヨタですら上級車種にしか装備されていない実用価値の高いものが、最低ランクに近い車種にも標準装備されていたことも選択の基準としてあった。このメーカーの心ゆきに感じたのだ。一般の乗用車の後部トランクのステーなども、荷室にはみ出る仕様がいまだに残っているのではないだろうか。荷物を入れたらこのステーに押されて潰れてしまうタイプだ。かなり以前から指摘されいて、外からは見えない部分だからと言った手抜きを感じてしまう。しかし、高速道路などで見かける4WDタイプの車で、黒煙を吐いている車種には三菱も多い気がする。三菱のディーゼルエンジンは素晴らしいと聞き、今のデリカで2台目だが、今度乗り換える時は規制のためガソリンタイプになる。今度は三菱党をいよいよ返上することになるかも知れない。海外のラリーでは評判の三菱だが、こんなことへお金を注ぎ込むより、ベンツを見習って、もっと素晴らしい、地球に、人も含めた動物に優しい、世界に誇ることが出来るディーゼルエンジンの開発に心血を注いで欲しいものである。そして、現在敵視されているディーゼルエンジンの素晴らしさを政府や国民に知らせてほしい。このままディーゼルエンジンを日本からなくしガソリンエンジンが増えると、地球温暖化もますます進み、余った軽油もどうするつもりなのだろうか。

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