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 No.179

三輪 薫(みわ かおる)


No.179 『写す』/フォトワークショップ「風」 2003/4/29

フォトワークショップ「風」は、僕が主宰の「わの会」会員が集まり、全員が個展開催や写真集の刊行を目指している。しかし、ワークショップと言えどもメンバーの現在のレベルは関係ない。誰でも初めから上手いわけではなく、コツコツと努力し研鑽を積み上げるからこそ高いレベルでの表現力も身に付くからだ。

二ヶ月に一度の研究会では、初心者やそれに近い人達にはスリーブを見せてもらい、添削などのアドバイスしている。本人が僕に全てをさらけ出すスリーブを見ないと、その人の良さや、撮影などのミスを確認できないからである。少し上達した人には本人が選択したカットと、そのスリーブを見せてもらう。本人が選択したカットと、スリーブに残されたカットを見比べると、本人の視点がよりはっきりと伝わってくるものだ。上級者には本人が選択したカットの中からテーマとモチーフに沿った作品セレクトを繰り返し、組んで行く作業に取りかかる。

この研究会では、全員の作品を自由に見られるよう、僕がアドバイスしている脇に大きなライトボックスを用意し、僕が見終わった作品をメンバー同士で見て語り合いながら研究している。全てをオープンにすることで、各自のよい点をお互いが学べるからだ。当然、撮影地などの質問にもオープンで応えている。とかく内緒にしがちなことでも、お互いが情報交換することで解決することも多くある。

また、定員は20人であるが、そこには20人の個性がある。自分が持っていないか確認できていないことが、他の人の作品から見つけることも出来るだろう。メンバーはよき仲間であり、ライバルである。お互いが同じ目標を持ち向上を目指すことで、全体のレベルも高まってくる。特に身近な人達の活躍には、知らない人の作品を見るよりも刺激にもなる。この様なよい関係で進めているからこそ、和気あいあいとした雰囲気に包まれながらも、知らぬ知らぬうちに創作レベルが高くなって行く。ここ一年でメンバーの個展開催など、期待以上に飛躍的に発展した。将来が楽しみな人達の集まりと思っている。隔月刊・風景写真5月号に、「風」が4ページに渡り、メンバーの作品と共に紹介されているので見ていただきたい。

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