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 No.205

三輪 薫(みわ かおる)


No.205 『写す』/デジタルプリント 2003/12/14

現在、来年1月に開催のデジタルプリント展「風色-II」のプリントに入っている。「風香」展は、エプソン認定ラボの方に出力をお願いできたが、「風色-II」展では「風香」京都展でテーブルに展示した作品を出力してくれたスタッフの片野君が、僕とコミュニケーションをはかりながら行っている。

今回は EOS D30/60/10Dで撮り続けた作品で、全てデジタルで行い、伊勢和紙に出力する。前回は645判のフィルムをドラムスキャンしたプリントで、かなりきめ細かな再現が出来た。今回は300〜600万画素のデジタルカメラからのプリントで、和紙では一般的な写真用の用紙と違い、「風香」展ほどには出てこない。和紙へのプリントでは、645判のフィルムをドラムスキャンしたのとEOS 10Dとを比べると、35ミリカメラと4×5インチ判カメラくらいの差があるからである。

しかし、表現としての作品内容を考えると、大判カメラが有利というわけではなく、表現目的によっては小型カメラの方が優れているものも多い。また、デジタルでは、リバーサルフィルムとネガフィルムの中間的な再現性を見せるため、リバーサルフィルムで撮ってダイレクトプリントしたものに比べると、豊かなトーン再現が生まれる。特に、今回のように和紙に出力していると、和紙の風合いを生かすことによって優しい空気感に包まれた心優しい雰囲気をかもし出すことも可能である。同じ和紙にプリントしても、フィルムをドラムスキャンしたものと、デジタルカメラで撮影したものとでは、色合いやコントラストなどにはそれぞれの特徴が出てくるものだ。この違いを上手く生かしてこそ、連続で個展を開催する意義がある。今回は、入り口のカメラから出口のプリントまでをデジタルで行う。このことへの可能性を確かめてみる価値があると信じているからであり、先の個展とはひと味違う見ていただく楽しみも引き出した作品展になると思っている。全紙から全倍までをメインに展示する予定だ。

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