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 No.216

三輪 薫(みわ かおる)


No.216 『生きる』/不景気時代の不思議 2004/3/25

不景気だ、不景気だと言われているのに、銀座界隈には海外のブランドショップがひしめくように林立している。バブルがはじけ、土地が安価になったとは言え、商品が売れなければこのようなショップはできず、まことに不思議である。

超安価なコーヒーショップが銀座などにも次々と開店する一方で、たまに行く美味しいが高額の珈琲店も頑張っている。このような店は、バブルがはじけたときには閑散としていて、閉店してしまうのではないかとさえ思われた。

たまに子供達を連れて行く寿司屋は手頃な料金だが、久しぶりに行ったら店がなかった。改装工事中と思っていたら、同じビルにユニクロがテナントとして入ったことで客層が変わってしまい、遂に閉店になってしまったという。

企業もリストラを断行している時代だが、一方では最高の利潤を出している会社もある。倒産した銀行を救うため血税を注ぎ込んだ挙げ句、売り渡した海外の会社がビックリするほどの利益を上げることになるという、よく理解できない話しも新聞で知った。

役人などの無駄遣いは相変わらずで、不景気風など何処吹く風とやりたい放題の事実もまだまだ多いようだ。新聞の記事で知る国民の憤りなど、無関係の所や人もいる。

現在、牛肉や鶏肉騒ぎが多く聞かれるが、海外に依存の食料が先進国の中ではトップだというのに、飽食は相変わらずのような気がする。別に肉などそれ程食べなくても生きて行けるのが日本人で、肉を食べ過ぎたことが原因で以前には日本人にはなかった病気が増えていることも多いと聞く。日本人には、日本人にあった食料があるはずである。

一部では、この不景気時代を嘆き、一方ではそれ程の影響を受けていない人も多いのだろう。民間の会社だったら倒産していてもおかしくない借金を抱えた日本だが、議員も役人も人員削減や給料カットには積極的でなく、それどころか国債の発行を続け、借金は増えるばかりだ。どうも、よく理解できないことが多すぎる。

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