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 No.222

三輪 薫(みわ かおる)


No.222 『写す』/コダクローム 2004/5/20

僕の好きなフィルムにコダクロームがある。現在入手できるのはISO64タイプのみだが、どちらかと言えば25タイプのKMやPKMのほうが好きで、最近は大量に買い込んだ25タイプを大切に使っている。このフィルムは発色が地味なためか愛用者が少なくなり、結果が安定しないこともある。地方では、現像処理に要する日程が随分掛かり、早く撮影結果を見たい人の要望には向かなくなってきている。残念なのは以前一時期に発売されていたブローニータイプがないことである。最近では中判カメラでの撮影も多くなっていて、選択できないもどかしさがある。

樹木を主体にした作品を組む時に改めて見てみると、やはりこのコダクロームの素晴らしさに驚かざるを得ない。発色も自然で、表情を素直に、かつ趣もあり、質感などは実に優れた再現性を見せてくれる。E-6処理のフィルムでは到底真似できない魅力のトーン再現である。特に深い森の中での木々や古木の描写には、他のフィルムの追随を許さなく、レンズの描写力を遺憾なく発揮してくれる。

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