Toppageへ
 No.225

三輪 薫(みわ かおる)


No.225 『生きる』/シルバーシート 2004/6/8

以前、クラブ例会の帰宅途中の電車で、シルバーシートの席ではないところで斜め前の席が空き、その前に立っていた方に席を譲られた。初めてのことである。疲れていたので、疑問も感じなく有り難く座った。しかし、座った途端、何故?、と思った。白髪頭の55歳の僕が余程の年配者に思われたのだろうか。思い切り元気であったら断っていたのだが、気が付いたら素直に座っていたので複雑な気持ちだった。

シルバーシートを見ていると面白い。目の前にひ弱な老人と思える人がいようが、関係なく座っている人や、屈強な体つきにもかかわらず素知らぬ顔で大股開きで座っている若者も見かける。しかし、今回のようなこともある。一見元気そうな年輩者が、いかにも座らせろと言わんばかりの表情をしていたり、文句を言ったり、座っていた人が替わろうとしても断る人もいて、様々で面白いのだ。

何故この様なシートがあるのだろうか。譲る気持ちがあれば指定席などいらないし、この様に指定されても無頓着である人が多い現状を知らないはずはない。お上意識的な押しつけも甚だしい。

深夜の女性専用車両は痴漢対策なのだろうが、男性専用車両も用意して欲しい。濡れ衣を着せられ、裁判を起こして勝訴しても、会社を退職、離婚と追い込まれたという無実の男性もいるとの実話を新聞などで掲載されている。無罪の人の人生を破滅させても、同じレベルでの社会的な制裁を受けたという加害者の話は聞いたことがない。この様なことに泣き寝入りするしかない男性もいるのだ。勿論、痴漢の被害者は大半女性なのは分かっている。思い切って車両を女性用・男性用・年輩者用に分けてもよいかも知れない。変な世の中になってきたものだと思う。

戻る