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 No.226

三輪 薫(みわ かおる)


No.226 『生きる』/余計なお節介と過剰サービス 2004/6/16

電車の中では余計なお節介のシルバーシートの説明をくどいほど繰り返し、悦に入っている傲慢な車掌もいまだに多い。アナウンスしたから席を譲るのではなく、その気があれば言われなくても譲るのがごく普通の人である。譲らないで座っている者の中には、煩すぎる押しつけアナウンスに対抗するようにしているとさえ、思ってしまうほどだ。

携帯電話へのイヤになるほど繰り返すアナウンスも同じ。今や世間一般に知れたことを何年も繰り返し、酔いしれたようにアナウンスを続ける見識のない車掌が多いことに呆れてしまう。一体、自分を何様と思っているのだろうか。実に不思議で、騒音でしかないことを管理者である上司ですら分かっていない。大人なら初めからマナーは心得ているし、守る気がない者にはいくらアナウンスしても無駄である。本当に止めさせたいのなら、車内を巡回して注意する方が効果があるはずだ。

それよりも、車内で話し込むのは構わないが、携帯はダメというのも疑問だ。現代では携帯なしで仕事が進まない人も多いはずで、緊急の用件などもあり、回りに迷惑を掛けない程度なら、乗客同志が大声で話しているよりもましだと思う。勿論、ペースメーカーなどを付けているかも知れないシルバーシート付近での携帯使用は厳禁なのは言うまでもないが。

駅などで年配の社員が乗車カードなどを売っている。その売上の利益で当人達の日当を稼ぐことが出来るのだろうか。カードなどなくても乗車しなければならない人は切符を買うし、カードも買う。何人も使ってカードを販売しても採算が取れるのか疑問だ。それほどに余っている人材がいるのなら運賃の値下げに結びつけるか、車内の巡回に回すほうがよいと思う。郵便局の、野外での切手販売も同じである。何故、あのように多くの人が切手の販売に必要なのか理解できない。普通の民間会社では考えられないことが多すぎる。

それに比べ、以前横浜から乗った成田空港への電車では、海外の電車と同様アナウンスもなく静かに発車したように感じた。まだ荷物を運んでくれていた息子が一緒で、アナウンスに気付かず、横浜から東京駅まで行ってしまったことがあった。これも多少困ることではあるが、煩いほどの押し売りアナウンスよりも好感が持てた。余計なお節介の騒音だらけのアナウンスよりも、静かなことは大歓迎であるからだ。公共の場である日本の車内の静けさを評価していた韓国の方の記事を読んだことがある。自国でも日本を見習って欲しいと書いてあった。韓国では、想像を絶する騒音に溢れているのだろうか。

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