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 No.231

三輪 薫(みわ かおる)


No.231 『写す』/愛機 HASSELBLAD 2004/8/2

HASSELBLADは何と言ってもレンズシャッター。撮影に便利な AE 化するために採用したフォーカルプレーンシャッターのHASSELBLADは使う気になれない。大判カメラのように対象をじっくりと眺め、フレーミングを決め、単体露出計で測光し絞りとシャッター速度を決め、のんびりと撮るのもいいものだ。僕にとっては至福の時であり、プリズムファインダーではなくウエストレベルファインダーでピントガラスを眺めるのが好きである。ガラス越しに見ていると立体的に感じ、臨場感豊かに見える。

最近見るHASSELBLAD愛用者の多くがプリズムファインダーを付けて撮っている。ウエストレベルファインダーは左右逆像で、どうも嫌われているようだ。4×5インチ判などの大型カメラでは、左右だけではなく上下も逆像である。大型カメラ用のレンズは開放F値も暗く、ピントも合わせにくい。しかし、要は慣れの問題で、それ程支障を感じたことはない。便利さに慣れるとその便利さがが当たり前になるが、不自由さの楽しみもあることを分かってほしいものである。

デジタル時代になるほどに、中古ショップでのお買い得カメラも増える。HASSELBLADの中古では、国産の中判カメラを買う価格で50年使っても飽きの来ない愛着を持てるものが楽に買えるのだから嬉しくなる。以前、海外でだったが500Cと80mm のセットで4万円ほどで購入できたり、国内でかなり程度のよいボディーとフィルムバック付きで、何と7万円くらいのものを見つけ、買ってしまった。HASSELBLADの500シリーズのボディーは、部品数が国産カメラの半分くらいのシンプルな機構で故障も少ない。だからこそ、長年付き合いたくなるよき伴侶としての魅力も大きく、自分の人生にとってなくてはならない、単にカメラという道具を越えた存在になってくる。それこそが愛機と呼べるカメラと言えるだろう。

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