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 No.242

三輪 薫(みわ かおる)


No.242 『車』/飽きの来ない車のデザインと実用性-2 2004/10/12

我が家の車は撮影用に選んだ4WDのデリカスペースギアと日常の仕事用のワーゲンゴルフのステーションワゴンだが、デリカのデザインは余り好きではないが撮影用の道具としての実用価値を優先して選んだ。ゴルフワゴンは実用車として長年の使用に耐える価値観と飽きが来ないと思われたデザインで選び、車体の色にも拘り、様々な天候や光の下での色の感じ方を確認して決めた。共にこの選択は正解だった。ゴルフワゴンは9年目を迎えた今でも新車同様のイスの座り心地と塗装の輝きを維持し、古さを感じない。多少高くても長年乗り続けるのであれば、逆に安価に感じてしまうほどだ。予算内に入る他の車はいまだに見当たらず、デリカは排ガス規制の最後となる車検を受けたので11年乗り続けることになりそうだ。

このデリカはマニュアルミッションでアイスバーンでの走行にも優れ、最低地上高も結構あり、林道や雪道などでの走行にも安心である。僕がワンボックスカーに拘るのは、車高が高い分見晴がよく、荷室も大きく、雨や降雪のときにも大きなバックドアが屋根になり撮影にも便利だからである。先日の取材では時にはドシャブリの雨だったが、ドアの下での撮影中にも機材が濡れることはなく助かった。しかし、ジープタイプの4WD車の多くが予備タイヤをバックドアやステーに付け、ドアが横開きなタイプが多いのが残念である。また、折角跳ね上げタイプなのに斜めにセットされ、後のバンパより余りはみ出ない屋根としての役目を果たさないデザインも多い。大半のステーションワゴンもこのタイプである。見かけの格好だけを優先して設計しているからだろう。降雨などの最中にこのドアを開けたら、荷室に雨が降り込んだり身体が濡れてしまう。また、本来大きめのワンボックスカーは走る道具だったはずだが、いつの間にか実用よりもイメージを先行したデザインが増えてきたように感じている。

最近ではオートマチック全盛で、マニュアルミッションタイプは一部のスポーツカーにしか見られなくなってきた。雪道やアイスバーンではオートマチックよりもマニュアルミッションのほうが走行に優れている部分もある。しかし、オートマチック全盛である今、限りなくマニュアルミッション的なエンジンブレーキのよく効くタイプの発売を期待したい。撮影用の道具としての屈強なワンボックスカーで、そのような仕様の手頃な車が見当たらないのが残念だ。4WDのワンボックスカーも、何故か最低地上高は低くなるばかりである。

僕のデリカも、先日リコールで部品交換をした。人の命を無視したような自動車会社の姿勢には憤りを感じているが、道具として考えると僕にとってはデリカを無視できない悩みも抱えている。先日、新型のデリカが発売になるらしいと聞いた。一年半後までに発売になれば次車の選択の対象にもなり、30年を越える三菱車党を存続することになるかも知れない。

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