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 No.246

三輪 薫(みわ かおる)


No.246 『不思議に思うこと』/BMWがベンツを抜いた不思議 2004/11/23

今年にはBMWの売上がベンツを追い抜いたとテレビで放映していた。一時期にはベンツに吸収されようとしていた会社である。しかし、当時の社員の大反対で吸収されるのを拒否し、社員も頑張って今日のBMWになったのだそうだ。この会社は、会社優先の思想ではなく、社員優先の考え方を貫いているという。会社があって社員があるのではなく、社員があって会社があるという実に日本企業の社員には羨ましい組織である。

現在、日本でもBMWの売上はアップし、ベンツはダウンしているそうだ。日本の自動車メーカーも高級車を続々と売り出していて、ホンダのレジェンドの試乗希望者の7割が現在国産車を乗っていない人だという。そのような状況の下でBMWは健闘しているのだろう。僕の子供の頃には、「いつかはクラウン」というコマーシャルのコピーがあった。ステータスとしての高級車がクラウンだったからだ。しかし、生活水準が高くなった現代では、ステータスとしての車は多種多様に揃っている。

高級車とはとても言えない我が家のワーゲンゴルフワゴンだが、8年以上乗り続けていても飽きが来なく、しっかりした造りには驚いている。他の人から見てもとても9年目に突入した車だとは見えないのだから、車を道具や遊びの対象として考えてもBMWを選択する人の気持ちが何となく分かる気がする。BMWなどの愛用者は本質的な造りの違いを理解し、車にも個性を見出しているからだろう。高級車は賞味期限も長いと思う。

現在、リッチな生活を送るには、結婚し子供をつくらないことがベストとは言えないまでも、このような生活を送るに最も近い生き方の選択だとか言われている。高級志向のご案内をしてくれる雑誌が次々と創刊され、売れているとか。だからか、男も女も独身を貫き、例え結婚しても子供を持たない人が増え続けているのかも知れない。

一般的な人で最も優雅なのが、実家を根城にし、自分の生活費も実家に入れなくて稼ぎの全てを自分のために使う独身貴族だと思う。このような生活・人生スタイルを貫くことができればブランド品で身を固め、高級車でも楽に所有することも可能だろう。BMWは上級な趣味人の心をくすぐり、走りの楽しみと実用価値の高さを伺える車だと思っている。

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