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 No.254

三輪 薫(みわ かおる)


No.254 『写す』/フォトコンテストの審査 2005/1/29

昨日、「コダックフォトコンテスト2004」の審査を終えた。自由・ネイチャー・ビギナーの3部門があり、今回の作品は以前担当した時と違って全てプリントで、銀塩プリントしか受け付けない応募規約である。デジタル時代に突入しているが、インクジェットプリンタによるプリントは規約違反となり除外される。これは巷のラボの売上貢献を助ける役目を果たし、それはそれで意義があることでもある。応募総数は毎年減少傾向にあるとかで、コダックだけではないようだと聞いている。コンテストが多すぎて応募が分散してしまうからか、今回に関してはプリント代の負担が大変で、ポジでの応募がなくなった分減ってしまったからだろう。

今回の応募総数はよく分からないが、審査は午前から始めて日没後近くまで掛かってしまった。ポジでの応募がなくなったとはいえ、それでも膨大な点数なのだ。今回はご年輩の割にはとても若く見える、ポートレート写真家の長友健二氏と二人で担当した。僕の方が一回り以上も若いためか、ネイチャーとビギナーの2部門を担当することになった。

今回の最高賞は主催者側の意向もあって先輩の先生が決めることになり、今回は自由部門から選ばれた。選者が二人の場合、対等の立場で審査を行ったら作品の解釈によってはいつまでも平行線を辿ることになり、主催者側が先輩者に判断を委ねることもある。作品への評価や判断は選者によって違い、合同審査とは言いながらも仕方がないことかも知れない。選者は作品審査の選択眼を試されていると言ってもよく、怖い仕事である。

また、高額賞金のフォトコンテストは膨大な応募数で、事前選考を経た作品で最終審査を担当することもある。カメラ誌月例のように応募作品の全てを見ながら選考できるのと比べ、時間の制約もあるからだ。しかし、この様なシステムでは事前選考の段階で、選者の目に適う作品がふるい落とされる可能性もたまにはあると思う。選者として全ての作品を見て選考できないのが残念である。

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