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 No.281

三輪 薫(みわ かおる)


No.281 『写す』/デジタルカメラの行く末-2 2005/11/15

のんびり屋の僕は、本音では数年遅れのデジタルカメラでも一向にいとはない。しかし、実際には立場上のこともあってそのようにはできず悩んでしまう。デジタルカメラで撮ることが生活の糧になるなら100万円でも躊躇せずに買うだろう。償却が見込めるからである。しかし、作品しか撮っていない立場では、趣味で写真を撮っている人と余り変わりはなく、減価償却など実際にはあり得ないのだから端で見るよりも大変である。

今度発売のEOS Digital の5Dは、フルサイズで1,280万画素。CFカードもいくら安価になったとは言え、以前よりは多く持たないと間に合わない。また、後処理を考えると、パソコンなどの周辺機器も充実させないと間に合わない。アナログ時代には、世界の最高峰の機材を揃えれば、少なくとも数十年や、機種によっては一生安心して、心まで託して使うことが出来たのとは大違いである。大変な時代になってしまったものだ。と言う思いで一杯なのだが、思い悩んだ末、遂に EOS 5D を買ってしまった。

デジタルカメラが発売になった頃には、フイルムが必要ないからとデジタルを歓迎した人も多かったのではないだろうか。しかし、初期からデジタルのほうが経済的にはアナログよりも遙かに大変だと言い続けてきたが、まさに本当のことであった。際限なく続く進化に、心身も経済も付いて行くのは実に大変である。古の時代から受け継がれてきた塗師を辞め、写真の世界に入った頃には思いも付かなかった機材の進化が激しい時代を迎えている。そのような時代に生きていることの幸せを感じると共に、戸惑うことも多くなってきた。

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