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 No.282

三輪 薫(みわ かおる)


No.282 『写す』/デジタルカメラの行く末-3 2005/11/28

写真の世界もデジタル時代を迎え、もはやアナログの銀塩写真など古いと思われている節もあるようだ。しかし、絵画などでは昔からの技法が否定されたり、CGで絵を描けるから肉筆の絵画が描かれなくなったり、絵の具などが徐々になくなっているなどとの話を聞いたことがない。何故だろうかと思ってしまう。

写真の世界は、アナログの銀塩フイルムや印画紙がかなり製造中止になっている。それも、個性のあるよい銘柄ほど早くこの世からなくなってしまうのだから悲しい。銀塩のプロラボも同様で、現在作品プリントを安心して依頼できるプロラボや熟練のラボマンがどれほど残っているのか心配である。巷の噂では、かなりのラボが企業不振や、大手企業の圧力などで閉鎖に追い込まれているという話を耳にする。実におかしなことである。

今、話題になっている○○ファンドやIT企業のように、お金さえ儲かれば何を行ってもよいというものではないと思うのだが。これさえも、昔から地道に生きてきた企業をお金の力で踏みにじられても防ぎようがない、悲しく不思議な時代を迎えている。

しかし、先日聞いた話だが、デジタル時代になっていてもリバーサルフィルムの消費量は余り変わっていないと言う。新聞社や雑誌社などは大半デジタルに移行しているはずだし、広告写真業界もデジタル化が進んでいるはずである。これが本当なら、愛好家のフィルム消費量が格段に多くなっていることになる。勘違いの情報に思えてならない。

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