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 No.287

三輪 薫(みわ かおる)


No.287 『写す』/銀塩カメラの撤退 2006/1/16

ニコンは、12日に銀塩カメラから事実上の撤退をし、カメラ事業をデジタルカメラに集中する方針を表明した。プロ機「F6」と入門機「FM10」のみ残し、他の6機種は在庫のみの販売になると言う。ニコンの銀塩カメラの出荷台数が6年で10数%まで落ち込み、現在の売上が全体売上の2%くらいと言う。デジタルカメラはここ5年で10倍以上の伸びを見せている現状では企業としては仕方がない。レンズ交換式の小型一眼レフカメラの世界的なメーカーであるニコンが撤退表明をした後には、キヤノンの表明も時間の問題だろう。

そのデジタルカメラであるが、コンパクトタイプは利益幅が少ないためか国内での生産ではコスト的に合わなく、ソニーは台湾メーカーへの生産委託を検討していると新聞に掲載されていた。長い歴史を持つ銀塩カメラが僅かの間にデジタルカメラに取って代わっても、カメラ王国の日本でも生産できない状況になっているらしい。

コンパクトデジカメには動画の撮影もできる機種が多いようだ。家庭用のビデオカメラはハイビジョン対応になり、500万画素を越えるデジタルカメラとしての機能も備えた新機種も発売になる。三洋電機が来月に発売するデジタルムービーカメラは約210gと軽量で、SDメモリーカードに記録する。携帯電話のカメラ機能も益々充実するとなると、コンパクトカメラさえなくなってしまうかも知れない。カメラはこの先どのようになってしまうのだろうか。

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