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 2006年

三輪 薫(みわ かおる)


2006年

No.319 『生きる』/年の瀬に思うこと 2006/12/31

今年も、とうとう後1日を切ってしまったが、22-24日の裏磐梯高原に引き続き、26-29日と九州/佐世保の九十九島・平戸・生月に撮影に行ってきた。数年前から地元の方のお誘いを受けていたのだが、今回やっと実現した。出掛ける朝の東京は結構な雨で、長崎空港に着いたときも、どんより。天気予報も下り坂だったが、何と...more

No.318 『写す』/写真表現のオリジナリティー 2006/12/25

カメラ誌などの撮影データを見ると同じ機材・フィルム・フィルターなどの選択をしている人が多いことに驚く。銀塩写真では、カメラとレンズとリバーサルフィルムの銘柄が同じなら、多様な撮影条件があるにせよ、同じように見える作品になることは避けられない。絵画のように作品を見ただけで作者を判断することは余程の作...more

No.317 『写す』/デジタルフォトの不思議 2006/12/15

隔年に開催している「わの会」展も、4回目を先日無事終えることができた。京セラ コンタックスサロン・東京はメーカーギャラリーとしては広いが、93点も展示しているので、来場者がどのように感じるか興味があった。しかし、この会場としては実に多くの方々が来てくれ、作品内容や展示方法にも評判がよかった。デジタル作...more

No.316 『写す』/オリジナルプリントへの拘り-3 2006/12/2

4日から「わの会」第4回写真展が有楽町駅前・東京交通会館7階にある「京セラ・コンタックスサロン東京」で始まる。今回の会場は前回のコダックフォトサロンよりも広く、当然壁面も長いのでより多くの作品を展示でき、今回は何と半切93点である。1・2回目も同様の点数だったが、前期後期と二回に分けて2週間展示した。...more

No.315 『写す』/オリジナルプリントへの拘り-2 2006/11/18

15年ほど前、モノクロのファインプリントの制作に専念するため、それまでの自宅の暗室では手狭で、リフォームするにも限界があり、思い切って改築した。そこに納める引き伸ばし機も英国からデベアの8×10インチ判用を取り寄せ、世界最高峰と言われるライツの中判用と35ミリ判用フォコマートも入手した。それでも飽きたら...more

No.314 『写す』/オリジナルプリントへの拘り 2006/11/11

家業の塗師を4年間修行した後、写真の道を選んだ。その後35年が過ぎてしまったが、作品は一巻としてオリジナルプリントをメインとした個展開催をメインに発表し続けてきた。作品の発表の方法は様々あるが、やはり写真は生のプリントが最終作品であると僕は考えている。画家や版画家や彫刻家と同じ姿勢である。...more

No.313 『写す』/フィルムのプリントサイズ 2006/10/30

写真も絵画や版画などと同様、オリジナルプリントを見ているほうが楽しい。写真は拡大して見せる世界であり、表現目的によってそのサイズも決まってくる。カラー作品に限ってだが、1991年に開催の「風光-II」以来、展示プリントのサイズも大きくなるばかりである。「大きいことはいいことだ」とは言えないかも知れないが、...more

No.312 『写す』/写真家への登竜門 2006/10/25

関ヶ原の実家で塗師の修業をしていた頃、趣味として写真を撮っていた。地元のミヤケカメラ店のオーナーにいただいた引き伸ばし機でモノクロの自家処理もしていた。このオーナーに誘われてユニチカのクラブにも参加していたが、自分のレベルを知りたくてカメラ誌に応募したこともある。当然ながら予選通過もしなかった。愛...more

No.311 『写す』/手作りカメラ 2006/10/10

写真は、所詮ボディー・レンズ・シャッター・絞り・フィルムがあれば写すことが出来る世界だ。昔のカメラは全てがこの思想で作られていた。進化したフィルムカメラは露出やピント合わせ・フィルムの装填などが簡単に行えるようにしただけで、機構的には進化しても、基本は変わっていない。デジタルカメラはネガフィルム内...more

No.310 『写す』/デジタルは嘘を言い、銀塩は正直なのか? 2006/9/30

先の新聞記事で、デジタルカメラを使ったことも、人に借りてシャッターを切ったこともない人のコメントとして、デジタルカメラを批判的にみている人がいて驚いた。他人の作品を見たり人の話を聞いただけで判断出来るわけではなく、僕なら自分で試しその結果を積み重ねてから判断する。
しかも、フジクロームベルビアのよう...more

No.309 『写す』/銀塩のバライタ印画紙 2006/9/20

感材で困るのがモノクロの印画紙である。銀塩のモノクロプリントを行 わなければならない仕事やプロや愛好家の需要が格段に減ってしまったからだろうが、コダックや三菱製紙も製造を止めてしまい、大手で作っ ているのは富士写真フイルムやイルフォードくらいだろうか。寂しい限りである。
9月11日〜16日まで京セラ・コンタ...more

No.308 『写す』/銀塩写真の可能性とデジタルフォトの魅力 2006/9/10

先の新聞記事で浅井慎平さんの言葉も掲載されていた。「フィルムがなくなると、表現としての写真は消えかかってしまう」「音楽も、シンセサイザーでは弦楽器の音を何回も正確に出すことは可能だが、弦の間合いまでは出せない」。よく分かる解説だ。写真ではフィルムの銀塩プリントから感じるものと印刷での違い、レコード...more

No.307 『写す』/フィルムカメラの開発中止 2006/8/30

先日EOS kiss Digital Xが発表になり、EOS学園講師対象にも説明会があった。EOS kiss Digital Nを遙かに凌ぐスペック搭載の機種である。EOS Digitalにもやっとだが、何故か最も安価なタイプに埃を総合的に除去する「クリーニングシステム」が内蔵された。それでも残っているホコリは、パソコンで簡単に除去できるソフトも...more

No.306 『写す』/模写と贋作 2006/8/20

以前、テレビで日本人画家がイタリアの画家の作品を真似て描いたものが賞を受け、そのことが問題となって取り消されたという話題に盛り上がっていた。絵画には模写があり、画家を志す人は尊敬する画家の作品を模写することによって、作風や筆のタッチなどを研究することも多いだろう。
写真には、模写的な撮り方もあるだろう...more

No.305 『生きる』/リサイタル 2006/8/10

「わの会」の世話人の方に「藤原章雄テノール リサイタル」に誘われて出掛けた。このような生の音楽を聴くのは実に久しぶりのことだった。以前には、ある交響楽団の年間指定席を確保して、ホールに通っていたこともある。やはり、どのような世界でも生の演奏や作品を見るのが一番である。...more

No.304 『写す』/フォトコンテスト 2006/7/30

カメラ誌などの月例やフォトコンテストには、自分の作風や表現レベルを確認できるよさがある。特にプロなどのアドバスを受けることができない地域の愛好家には、この月例こそが頼りになるものであるかも知れないからだ。
僕がまだ実家の関ヶ原にいた20歳前後...more

No.303 『自然』/自然に対するマナー 2006/7/20

先月に北海道へ行った時には釧路湿原も訪れたが、丹頂鶴の展望地で地元の方が嘆いていたことがある。カメラマンは柵を潜り鶴に近づいて撮影しようとしたり、家族で訪れた親が子供に柵を乗り越えて鶴に近づくようにし向けたりするマナーを心得ない人達が多くなってきたと言っていた。
カメラマンも自然を愛する人達にとって...more

No.302 『自然』/国立公園の有料化と山小屋の功罪 2006/7/6

海外の国立公園には園内に立ち入るには入場料が必要なところも多い。しかし、日本では尾瀬にしても無料である。かなり以前に有料化の話が持ち上がったようだが、反対意見が多かったとかで、いまだに実現には至っていない。
僕は有料化には賛成である。素晴らしい...more

No.301 『自然』/世界遺産への登録の功罪 2006/6/28

先日、数年振りに北海道の知床半島に行き、知床五湖も訪れた。平日だったが駐車場には10数台のバスと乗用車などで満車状態だった。バスからは添乗員に案内された人達がぞろぞろと下り、一列縦隊で五湖を歩く。およそこのような場所を歩く格好ではなく、都会の観光地などを闊歩するかのような服装の人達も結構見受けられた。...more

No.300 『生きる』/花とコダクロームを愛した写真人生 2006/6/15

先日、20年近く前にカルチャースクールで出会って以来お付き合いが続いていた方が他界された。こよなく花を愛し、コダクロームで撮り続けた方だった。鳩居堂ビルの京セラ・コンタックスサロン銀座で個展を開催されたのが楽しく懐かしい思い出となってしまった。この方とは講師と生徒を越えた気持ちで長年お付き合いしてきた。...more

No.299 『生きる』/写真家の生き方 2006/6/10

バブルが弾けた頃「いよいよ三輪さんの時代だね」と言ってくれる人が何人もいた。既にその頃の僕の作品が、癒し系と呼ばれている作風であったからだと思う。しかし、それからもう随分長くなるが、僕には一向に風が吹いてこない気がする。
バブルの真っ最中には、僕の地味系のおと...more

No.298 『写す』/デジタルカメラでの片手撮り 2006/5/19

花の撮影のため、キヤノンEF50mmF1.8を入手して久しい。以来、デジタルカメラでも撮影を楽しんでいる。フルサイズ以外のボディーでは、このレンズはフルサイズ換算で80mmになり、とても使いやすい。何より嬉しいのは、販売価格が1万円を切って入手できることだ。しかも、開放F値がマクロレンズに比べ1段以上も明るく、...more

No.297 『写す』/デジタルとフィルム 2006/5/13

今年の年頭に何年振りかで風邪をこじらせ、結局2月末までに撮影できたのは8日のみの有り様だった。おとなしくしていたお陰か体調も回復し、3月4月はそれぞれに半月以上もシャッターを切っていた。結果、月平均10日撮影の目標も軽く帳尻を合わせられた。
今年の気象は例年よりもおかしく、厳冬期...more

No.296 『写す』/デジタルカメラの選択 2006/4/23

EOS 5D の購入後にはサブに愛用しているEOS kiss Digital Nは軽量・コンパクトで、手持ち撮影のスナップや草花の撮影などには使い勝手が実によく、重宝している。昨年4月に撮り下ろしの仕事で使ってから虜になってしまい、返却後に買ってしまった。僕の小型カメラで進めている和紙プリント作品にも、表現目的によっては充分と...more

No.295 『写す』/デジタルでの作品創り 2006/4/10

デジタルカメラの画素数は増えるばかりで、一体どこまで進化するのだろうか。一見ではなく、実質的に銀塩フィルムの再現性を越えるにはフルサイズの小型カメラで3000万画素が目安になると思ってきた。現在の1000万画素を越えるカメラでの再現性は、中判カメラで撮ったとさえ思わせるほどのきめ細かさがあり驚くほどだ。しかし...more

No.294 『生きる』/アナログとデジタル 2006/3/27

僕は典型的なアナログ人間である。しかし、写真界もデジタル時代に突入し、身もわきまえずデジタルにも関わっているので、四苦八苦の生活が続いている。実家の家業の塗師は昔から受け継がれた伝統工芸のアナログ世界で、道具といっても大半が昔ながらの手作りのものだ。デジタル機器は、確かに便利なものだが、だからといって...more

No.293 『写す』/アナログ写真の再評価 2006/3/21

デジタル時代を迎えた現在では、カメラ店に行ってもフィイルムカメラは目立つところには置いていない。デジタルカメラばかりが目に付く。世界最高峰のレンズであるZEISSを使うCONTAXも昨年京セラがカメラの製造や販売から撤退して新製品はもう見ることができない。ニコンですら一部の機種しか残さない状態になっている。写...more

No.292 『生きる』/もったいない-2 2006/3/13

近年のデジタル機器は、使用期間を考えると実に勿体ない代物だ。たかが1年くらい使った後には次の進化した機種が発売になり、お蔵入りしてしまう。数10万円もするカメラでも同様である。最近、そのサイクルが何だか短くなってきたような気がする。作って売る企業は儲かるだろうが、企業ではなく個人的に買う立場では、じつに...more

No.291 『生きる』/もったいない 2006/2/24

日本人の生活の美意識に「もったいない」と言う心根がある。世界共通語として認知されるのも時間の問題とも言われている。嬉しいことだ。僕の母親は、頂き物の包装紙や紐なども丁寧にほどいて保管していた。このような姿を見て育った僕は、同じことを繰り返し、押入や収納棚にはまるでゴミの山ほどに様々なものが溜まり、はみ...more

No.290 『生きる』/ズッコケた教え子の人生 2006/2/12

名古屋の写真学校を卒業と同時に上京し、写真家に弟子入りした。その後、結婚を機にフリーで食う道が捜せず母校の東京校である写真学校に勤めた。フリーになって個展を頻繁に開催するようになり、高校時代の三年のクラス担任だった恩師が東京の会場に来てくれたことがあった。それからは個展開催の度に案内し、名古屋での巡回...more

No.289 『生きる』/同窓会 2006/2/3

年末に高校の同窓会の通知が届いた。卒業したのは郷里関ヶ原から近い岐阜県立大垣北高等学校である。9クラスあった同級生は450人ほどいたが、何と関東地方には64名もいるという。この学校は元は女学校で、戦後に共学の高校になった。僕は18回生である。愛好家の方にも女学校時代の先輩がいて、個展会場に貼っていた略歴を見...more

No.288 『車』/古い車は増税 2006/1/26

地球温暖化や大気汚染防止のためには自動車の省エネ化や二酸化炭素などの削減が欠かせない。車もハイブリッド車を初め、燃費のよい車が多くなってきた。燃費のよい日本車が海外でも多く売れているのが理解できる。日本でアメリカの車が多く売れないのは、燃費の悪さも関係あると思う。限りある石油資源を少しでも長く持たせるに...more

No.287 『写す』/銀塩カメラの撤退 2006/1/16

ニコンは、12日に銀塩カメラから事実上の撤退をし、カメラ事業をデジタルカメラに集中する方針を表明した。プロ機「F6」と入門機「FM10」のみ残し、他の6機種は在庫のみの販売になると言う。ニコンの銀塩カメラの出荷台数が6年で10数%まで落ち込み、現在の売上が全体売上の2%くらいと言う。デジタルカメラはここ5年で10倍...more

No.286 『生きる』/のんびり過ごしたい人生 2006/1/1

僕は元来のんびり屋である。まあ、愚図と言ってもよいかも知れない。撮影スタイルにも現れ、バタバタと動き回るのは苦手であり、一箇所で納得できるまでじっくりと構えているのが好きである。
撮影は直感で行い、写真教室やカメラ誌などで解説しているようなことはあまり考えていない。結果として理屈がついてくるだけである。出会い...more


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