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 No.292

三輪 薫(みわ かおる)


No.292 『生きる』/もったいない-2 2006/3/13

近年のデジタル機器は、使用期間を考えると実に勿体ない代物だ。たかが1年くらい使った後には次の進化した機種が発売になり、お蔵入りしてしまう。数10万円もするカメラでも同様である。最近、そのサイクルが何だか短くなってきたような気がする。作って売る企業は儲かるだろうが、企業ではなく個人的に買う立場では、じつに勿体なく、情けない思いをデジタル機器に抱いている面もあるのが現状だろう。メカニカルのカメラや引伸機を購入するときには、上級機種には一生ものとの期待をもち、心までも豊かになったものだ。確かに現在のデジタル機器は優れものだが、余りにも短命すぎる。しかし、こんなにも次々と発売する企業も大変なことには違いないだろう。

何度もトラブルを起こしていた携帯電話機が、先月遂にダメになって買い換えた。なんと5年も使っていたらしく、今時珍しいことだそうだ。大事に使っていたので5年間の愛用にしては傷も少なく、ドコモショップの女性の方は感心していた。液晶画面が小さくモノクロなためか、一度充電すると4〜5日くらいは使えた。しかし、今時の携帯電話機は、毎日のように充電しなければならず、何が進化なのか実に疑問である。今回買い求めたものは、デザイン優先で選んだ。ショップには数多く並んでいるが、妥協しても数機種しか気に入るものはなかった。携帯電話機も道具と考えるので、デザインは無視できない。しかし、多機能すぎて扱いが分からず、頭の血管が切れそうな思いをすることも度々である。

車も少なくとも10年は乗り続けたいと思い、機能・デザイン・色などに拘り、納得したら購入している。しかし、僕の VW T-4 は 13年落ちを入手したため、20年は現役で頑張って欲しいと思う。14年目に入っているこの車は、国産の新車よりも実に頼もしい作りであり、多分20年経った時点でも廃車にするには惜しく、勿体ないと思うだろう。先日行っていたアメリカのヨセミテ国立公園で、僕のVW T-4よりもかなり古い年式である数台のVWキャンピングカーに出合った。その内の1台は、何と薪ストーブを積み、煙突が車外に飛び出していてビックリした。さすが、アメリカである。

30〜35年ほど前に中古で買ったカメラやレンズも結構あるが、よいものは古さを感じないし、飽きも来なく、いまだに現役で活躍してくれている。頼もしく、よい道具とは、このようなものと信じている。

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